株式明日の戦略-一つ目の関門を無難に消化、FOMCはグロース株買いを促すか

 14日の日経平均は続伸。終値は201円高の28156円。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1258/値下がり493。ボーイングに関するニュースで関連と目される銘柄が動意づいており、東レ、東邦チタニウム、ジャムコなどが急騰。レーザーテックや信越化学など半導体株に強い動きが見られた。上期決算を材料にヤーマンが11.5%高。3Dマトリックスやネオジャパンも決算を手がかりに値を飛ばした。固定資産の譲渡を発表した篠崎屋が年初来高値を更新。3桁台を回復した。

 一方、米金利の低下を受けて三菱UFJ、りそな、新生銀など銀行株が軟調。為替がドル安・円高に振れたことから三菱自動車やSUBARUなど自動車株には下落銘柄が多かった。直近で賑わっていた三菱重工や細谷火工など防衛関連が利益確定売りに押された。今期の減収減益見込みが嫌気された正栄食品が急落。上場して日が浅いtriplaは今期の大幅増益計画を発表して買いが先行したものの、上場初日につけた高値を上回ったことで戻り売りに押され、6%を超える下落で終えた。

 本日はプライムに大栄環境、グロースにスカイマークが新規上場。どちらも高い初値をつけ、終値はわずかではあるが初値を上回った。大栄環境は初値をつけた後に値幅が出たこともあり、初日から全市場の売買代金4位にランクインした。

 米CPIを受けた米国株は、かなり強く始まった後に値を消した。そして、これを受けた日本株は、恐る恐る始まって場中に上げ幅を広げた。CPIが市場予想を下回ったことは、日本株にはかなりポジティブ。この時期の日本株にとって怖いのは、米国株のクラッシュ的な下げである。CPIが強い、FRBはインフレを止められない、欧州もECBや英国中銀がインフレを止められないといった流れになると、売りが売りを呼ぶ懸念があった。しかし、米CPIがそこまで強くはなかったことで、連鎖的に警戒感が高まる懸念は低下した。

 米国株のCPIに対する反応を見ると、FOMCを消化した後も値幅は出ることになりそう。FRBのスタンスがタカ派的と受け止められた場合には、米国株の売り材料にはなる。ただ、米国の物価指標がピークアウトしつつあるのであれば、仮にネガティブな反応が出てきたとしても一時的にとどまる可能性がある。逆にCPIに続いてFOMCも米国株の買い材料となった場合には、ここから先は売り方の買い戻しが急がれることで、リスク選好ムードが高まる展開が期待できる。米国株が買われるシナリオでは、長期金利が低下する(もしくは大きくは上がらない)ことが要因となるであろうから、グロース株を見直す流れが強まる可能性が高い。
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