株式明日の戦略-大幅安も後場は下げ渋る、FOMCは米国株の反転材料となるか
21日の日経平均は大幅反落。終値は375円安の27313円。FOMCの結果発表を前に米国の長期金利が大きく上昇したことから、米国株が大幅安。この流れを嫌気して、寄り付きから200円を超える下落となった。その後はしばらく27400円近辺での一進一退が続いた。しかし、戻りを試すような動きは見られず、次第にセンチメントが悪化。下方向に勢いがついて、27200円台に突入した。ただ、9月7日につけた直近安値に接近したところで売りが一巡。後場は一段安は回避したものの、押し目を拾う動きも限定的となり、27300円台でのもみ合いが引けまで続いた。
東証プライムの売買代金は概算で2兆4700億円。業種別では海運、保険、石油・石炭などが上昇した一方、輸送用機器、ガラス・土石、空運などが下落している。株式取得に関するリリースを材料にモリテック スチール<5986.T>がストップ高。反面、米金利の上昇がグロース株には逆風となる中、ソニーグループ<6758.T>が5月につけた10220円を下回り、年初来安値を更新した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり288/値下がり1491。川崎汽船など海運大手が逆行高。米長期金利の上昇を受けて、第一生命やT&Dなど保険株に買いが入った。営業利益見通しを引き下げた日本製鋼所は、増配見通しが好感されて4%を超える上昇。1Q決算を材料にツルハHDが大幅高となり、スギHDやクスリのアオキなど同業にも買いが波及した。
一方、ダブルスコープが場中値付かずのストップ安比例配分。ANYCOLOR、eWeLL、ジャパニアス、HOUSEI、M&A総研など、上場して日が浅い銘柄の多くが手じまい売りに押された。主力どころでは日立、ダイキン、レーザーテック、三井物産、第一三共などが大幅安。米国で自動車株が弱かったことから、トヨタ、三菱自、日産自などの下げが大きかった。中間配当見送りを発表した四国電力が5%を超える下落。インソースは上方修正や増配が好感されず、10%近い下落となった。
日経平均は大幅安となったが、FOMCを前に米国の長期金利が大きく上昇して米国株も崩れてしまっては、売りが強めに出てくるのは仕方ない。安値が27297円までありながら、後場に値崩れすることなく、9月7日の安値(27268円)を下回らなかったことは評価できる。
あすはFOMCと日銀会合の結果発表を1日で消化するため、全体でも大きな動きが出てくると思われる。直近で確認した米8月CPIが強かったこともあり、9月のFOMCでは大幅利上げが確実視されている。利上げ幅は0.75%が濃厚だが、もし1%であった場合には株式市場はお手上げとなるだろう。0.75%を前提として、先の利上げ見通しが焦点となるが、大幅利上げが今回で打ち止めとなる可能性は低く、パウエル議長の会見もマーケットフレンドリーにはならないと思われる。先んじて下げている米国株が、出てくる内容を織り込み済みとして反転できるかが注目される。
日銀会合に関しては、結果発表後の為替動向が注目点となる。20日の米債券市場で長期金利が大きく上昇した割には、ドル円はそれほど円安(ドル高)に振れなかった。日銀会合近辺で円安をけん制する何かが出てくることへの思惑が、為替変動の抑制要因になったものと推測される。ただ、FRBが大幅利上げを決定し、日銀が金融緩和を継続すれば、為替は円安に振れやすい。今は円安のペースが速すぎると「悪い円安」として警戒されることも多い。FOMCが買い材料となるなど地合いが良ければ円安は許容されるだろうが、地合いが悪い中で円安が加速した場合にはリスク回避の売りを誘う可能性がある。
大きな流れとしてはFOMCを受けた米国株次第だろうが、FRBのスタンスに大きな変更がないと思われる中では、中期視点ではグロース株は敬遠される部類に入ると考える。きょうはソニーGが年初来安値を更新したが、東京エレクトロンも年初来安値を更新している。米金利が低下するなどしてグロース株が買われたとしても、売られすぎの反動とみておいた方が良く、まだしばらくはバリュー、インバウンド、ディフェンシブなど、グロース色の強くない銘柄が買われやすい地合いが続くと予想する。
東証プライムの売買代金は概算で2兆4700億円。業種別では海運、保険、石油・石炭などが上昇した一方、輸送用機器、ガラス・土石、空運などが下落している。株式取得に関するリリースを材料にモリテック スチール<5986.T>がストップ高。反面、米金利の上昇がグロース株には逆風となる中、ソニーグループ<6758.T>が5月につけた10220円を下回り、年初来安値を更新した。
東証プライムの騰落銘柄数は値上がり288/値下がり1491。川崎汽船など海運大手が逆行高。米長期金利の上昇を受けて、第一生命やT&Dなど保険株に買いが入った。営業利益見通しを引き下げた日本製鋼所は、増配見通しが好感されて4%を超える上昇。1Q決算を材料にツルハHDが大幅高となり、スギHDやクスリのアオキなど同業にも買いが波及した。
一方、ダブルスコープが場中値付かずのストップ安比例配分。ANYCOLOR、eWeLL、ジャパニアス、HOUSEI、M&A総研など、上場して日が浅い銘柄の多くが手じまい売りに押された。主力どころでは日立、ダイキン、レーザーテック、三井物産、第一三共などが大幅安。米国で自動車株が弱かったことから、トヨタ、三菱自、日産自などの下げが大きかった。中間配当見送りを発表した四国電力が5%を超える下落。インソースは上方修正や増配が好感されず、10%近い下落となった。
日経平均は大幅安となったが、FOMCを前に米国の長期金利が大きく上昇して米国株も崩れてしまっては、売りが強めに出てくるのは仕方ない。安値が27297円までありながら、後場に値崩れすることなく、9月7日の安値(27268円)を下回らなかったことは評価できる。
あすはFOMCと日銀会合の結果発表を1日で消化するため、全体でも大きな動きが出てくると思われる。直近で確認した米8月CPIが強かったこともあり、9月のFOMCでは大幅利上げが確実視されている。利上げ幅は0.75%が濃厚だが、もし1%であった場合には株式市場はお手上げとなるだろう。0.75%を前提として、先の利上げ見通しが焦点となるが、大幅利上げが今回で打ち止めとなる可能性は低く、パウエル議長の会見もマーケットフレンドリーにはならないと思われる。先んじて下げている米国株が、出てくる内容を織り込み済みとして反転できるかが注目される。
日銀会合に関しては、結果発表後の為替動向が注目点となる。20日の米債券市場で長期金利が大きく上昇した割には、ドル円はそれほど円安(ドル高)に振れなかった。日銀会合近辺で円安をけん制する何かが出てくることへの思惑が、為替変動の抑制要因になったものと推測される。ただ、FRBが大幅利上げを決定し、日銀が金融緩和を継続すれば、為替は円安に振れやすい。今は円安のペースが速すぎると「悪い円安」として警戒されることも多い。FOMCが買い材料となるなど地合いが良ければ円安は許容されるだろうが、地合いが悪い中で円安が加速した場合にはリスク回避の売りを誘う可能性がある。
大きな流れとしてはFOMCを受けた米国株次第だろうが、FRBのスタンスに大きな変更がないと思われる中では、中期視点ではグロース株は敬遠される部類に入ると考える。きょうはソニーGが年初来安値を更新したが、東京エレクトロンも年初来安値を更新している。米金利が低下するなどしてグロース株が買われたとしても、売られすぎの反動とみておいた方が良く、まだしばらくはバリュー、インバウンド、ディフェンシブなど、グロース色の強くない銘柄が買われやすい地合いが続くと予想する。