ニューヨーク外国為替市場概況・14日 ドル円、小幅続落

 14日のニューヨーク外国為替市場でドル円は小幅続落。終値は135.48円と前営業日NY終値(135.59円)と比べて11銭程度のドル安水準だった。「日銀は来年4月に発足する新体制下で金融政策の点検や検証を実施する可能性がある」との一部報道を受けて、欧州市場では一時134.54円と5日以来の安値を付ける場面があった。
 NY市場に入ると、米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を見極めたいとの思惑から様子見ムードが強まり、しばらくは小幅な値動きが続いた。
 注目のFOMCでは市場予想通り0.50%の利上げが実施され、同時に公表された政策金利見通し(ドット・チャート)では2023年末時点の中央値が5.125%(5.00-5.25%)と前回の4.625%(4.50-4.75%)から引き上げられ、市場の想定である5%近辺を上回った。米連邦準備理事会(FRB)による金融引き締めの長期化が改めて意識されると、米長期金利の上昇とともにドル買いが優勢となった。
 パウエルFRB議長が会見で「我々にはまだやるべきことがある」「今回の決定後も政策スタンスはまだ十分に抑制的ではない」と発言したこともドル買いを促し、4時30分過ぎに一時135.99円と日通し高値を付けた。
 ただ、そのあとはパウエル議長が「政策決定はすべて最新のデータ次第」「十分抑制的な金利水準に近づきつつある」と発言したと伝わり、米長期金利が低下。一転ドル売りが優勢となり、134.81円付近まで押し戻された。

 ユーロドルは続伸。終値は1.0682ドルと前営業日NY終値(1.0633ドル)と比べて0.0049ドル程度のユーロ高水準だった。FOMCメンバーの政策金利見通しが市場の想定より若干高めとなったことを受けて、公表直後は米金利上昇とドル高が進行。4時30分過ぎには一時1.0622ドル付近まで値を下げた。
 ただ、日本時間夕刻に付けた日通し安値1.0619ドルが目先サポートとして働くと買い戻しが優勢に。パウエル議長の会見後に米長期金利が低下に転じたこともユーロ買い・ドル売りを促し、5時過ぎには1.0695ドルと日通し高値を付けた。

 ユーロ円は反発。終値は144.71円と前営業日NY終値(144.15円)と比べて56銭程度のユーロ高水準。FOMC結果公表前は米国株高に伴う円売り・ユーロ買いが先行した。FOMC後はユーロドルの持ち直しにつれて144.76円と日通し高値を更新した。

本日の参考レンジ
ドル円:134.54円 - 135.99円
ユーロドル:1.0619ドル - 1.0695ドル
ユーロ円:143.50円 - 144.76円

(中村)
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