週間為替展望(ポンド/加ドル)-英・加CPIや日銀会合に注目
◆対円では日銀金融政策決定会合に注目
◆ポンド、英インフレの減速幅を見定め
◆加ドル、CPI次第で次回利上げ幅を見極め
予想レンジ
ポンド円 154.50-161.50円
加ドル円 94.50-99.50円
1月16日週の展望
ポンド・加ドルともに、18日の日銀金融政策決定会合の結果に注目が集まる。また、今回は展望レポートも同時に公表され、上方修正の可能性が高まっている「物価見通し」にも注意したい。内容次第ではあるものの、日銀が金融緩和を見直さざるを得ないと市場が受け止めるようであれば、素直に円高に振れる可能性が高い。
もっとも、海外勢を中心に「日銀の緩和修正」への期待感が高まり過ぎる傾向があることは留意しておきたい。12日には、「日銀、大規模緩和の副作用点検へ」との新聞報道を受けて再び円買いが強まった。こういった動きにより政策修正に備えて持ち高が円ロングに大きく傾いているようならば、結果発表後は「材料出尽くし感」による円売り戻しもあり得る。また、投機筋が望んだほどの内容ではなかった場合、失望感によるポジションの巻き戻しが一気に進むかもしれない。いずれにせよ、ポンド円、加ドル円ともに、荒い値動きを覚悟しておいたほうがよいだろう。
18日は15時30分から黒田日銀総裁の定例記者会見も行われる。ポンドにとって難しいのは、質疑応答中の16時に12月英インフレ指標が発表されること。米国や欧州主要国が物価上昇率の鈍化を確認するなか、英消費者物価指数(CPI)も減速幅がポイントになる。欧州暖冬の影響でガス卸売り価格が大幅に下落しており、それなりの改善は期待できそうだ。11月の前年比10.7%から一桁台まで低下しているようならば、印象良く受けとめられるのではないか。ただ、日銀総裁の発言次第で円主導の相場になっていたとしたら、英CPIへの対応は難しくなる。
加ドルは17日の12月カナダCPIの見極めも必要。前週発表された12月雇用統計は想定よりかなり強い結果だった。失業率は5%と過去最低水準の4.9%に迫り、新規雇用者数は10.4万人と前回から約10倍も増えた。25日のカナダ中銀(BOC)会合で0.25%の追加利上げ織り込み度も7割以上まで上昇。BOCが注視するCPIトリム平均が前回同様に下げ渋るようだと、現行4.25%の政策金利が2007年以来の4.50%まで引き上げられる可能性が一層高まるだろう。
なお、年末年始に原油相場との相関関係が薄れていた加ドルだが、今週に入り連動する場面も多く見られている。エネルギー消費大国の中国が経済活動正常化に向かうなか、原油先物も神経質に上下。加ドルの方向性を探るうえでも、原油価格の動向に注意しておきたい。
1月9日週の回顧
ポンド円は161円前半、加ドル円が99円台乗せまで買いが先行。前週末の米雇用統計を受けて株式市場が堅調となり、リスクオンの外貨高円安が進んだ。もっとも日銀の政策修正への思惑が再び高まると一転し下落。12月米CPI後に下げ幅を広げたドル円にもつれて、それぞれ156円台、96円付近まで円高に傾いた。
ポンドは対ドルでは1.22ドル半ばまで上昇。英と欧州連合(EU)間の障害となっていた北アイルランド問題の進展期待が支えとなり、米インフレ鈍化もドル売りにつながった。加ドルは対ドルでは原油相場を眺めながら、1.34加ドルを挟み上下した。(了)
◆ポンド、英インフレの減速幅を見定め
◆加ドル、CPI次第で次回利上げ幅を見極め
予想レンジ
ポンド円 154.50-161.50円
加ドル円 94.50-99.50円
1月16日週の展望
ポンド・加ドルともに、18日の日銀金融政策決定会合の結果に注目が集まる。また、今回は展望レポートも同時に公表され、上方修正の可能性が高まっている「物価見通し」にも注意したい。内容次第ではあるものの、日銀が金融緩和を見直さざるを得ないと市場が受け止めるようであれば、素直に円高に振れる可能性が高い。
もっとも、海外勢を中心に「日銀の緩和修正」への期待感が高まり過ぎる傾向があることは留意しておきたい。12日には、「日銀、大規模緩和の副作用点検へ」との新聞報道を受けて再び円買いが強まった。こういった動きにより政策修正に備えて持ち高が円ロングに大きく傾いているようならば、結果発表後は「材料出尽くし感」による円売り戻しもあり得る。また、投機筋が望んだほどの内容ではなかった場合、失望感によるポジションの巻き戻しが一気に進むかもしれない。いずれにせよ、ポンド円、加ドル円ともに、荒い値動きを覚悟しておいたほうがよいだろう。
18日は15時30分から黒田日銀総裁の定例記者会見も行われる。ポンドにとって難しいのは、質疑応答中の16時に12月英インフレ指標が発表されること。米国や欧州主要国が物価上昇率の鈍化を確認するなか、英消費者物価指数(CPI)も減速幅がポイントになる。欧州暖冬の影響でガス卸売り価格が大幅に下落しており、それなりの改善は期待できそうだ。11月の前年比10.7%から一桁台まで低下しているようならば、印象良く受けとめられるのではないか。ただ、日銀総裁の発言次第で円主導の相場になっていたとしたら、英CPIへの対応は難しくなる。
加ドルは17日の12月カナダCPIの見極めも必要。前週発表された12月雇用統計は想定よりかなり強い結果だった。失業率は5%と過去最低水準の4.9%に迫り、新規雇用者数は10.4万人と前回から約10倍も増えた。25日のカナダ中銀(BOC)会合で0.25%の追加利上げ織り込み度も7割以上まで上昇。BOCが注視するCPIトリム平均が前回同様に下げ渋るようだと、現行4.25%の政策金利が2007年以来の4.50%まで引き上げられる可能性が一層高まるだろう。
なお、年末年始に原油相場との相関関係が薄れていた加ドルだが、今週に入り連動する場面も多く見られている。エネルギー消費大国の中国が経済活動正常化に向かうなか、原油先物も神経質に上下。加ドルの方向性を探るうえでも、原油価格の動向に注意しておきたい。
1月9日週の回顧
ポンド円は161円前半、加ドル円が99円台乗せまで買いが先行。前週末の米雇用統計を受けて株式市場が堅調となり、リスクオンの外貨高円安が進んだ。もっとも日銀の政策修正への思惑が再び高まると一転し下落。12月米CPI後に下げ幅を広げたドル円にもつれて、それぞれ156円台、96円付近まで円高に傾いた。
ポンドは対ドルでは1.22ドル半ばまで上昇。英と欧州連合(EU)間の障害となっていた北アイルランド問題の進展期待が支えとなり、米インフレ鈍化もドル売りにつながった。加ドルは対ドルでは原油相場を眺めながら、1.34加ドルを挟み上下した。(了)