ニューヨーク外国為替市場概況・19日 ユーロドル、続伸

 19日のニューヨーク外国為替市場でユーロドルは続伸。終値は1.0833ドルと前営業日NY終値(1.0794ドル)と比べて0.0039ドル程度のユーロ高水準だった。1月米フィラデルフィア連銀製造業景気指数や前週分の米新規失業保険申請件数が予想より強い内容となったことを受けてユーロ売り・ドル買いが先行すると、一時1.0784ドル付近まで値を下げたものの、下押しは限定的だった。
 ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁はこの日、「インフレは高すぎる」「インフレ率を適時に目標の2%に戻すために十分な期間、制約的な領域に移行するまで政策方針を堅持する」と述べたほか、ECB理事会議事要旨(12月15日分)では「多くのメンバーが当初、政策金利を0.75%引き上げることを希望した」ことが明らかになった。ECBの利上げ継続観測を背景にユーロ買い・ドル売りが強まると、一時1.0840ドルと日通し高値を更新した。

 ドル円は反落。終値は128.43円と前営業日NY終値(128.90円)と比べて47銭程度のドル安水準だった。米フィリー指数など、この日発表の米経済指標が概ね堅調だったことを手掛かりに円売り・ドル買いが先行。米長期金利の上昇も相場の下支え要因となり、22時30分過ぎに128.81円付近まで値を上げた。
 ただ、アジア時間に付けた日通し高値128.93円を上抜けることは出来なかった。日銀は前日に大規模な金融緩和策の維持を決めたものの、いずれは修正に動くとの思惑は消えず、相場の重しとなった面もある。
 なお、ブレイナード米連邦準備理事会(FRB)副議長は「インフレ率はここ数カ月で低下したが、依然として高い」と述べ、「インフレ率が2%に戻るまでには時間と決意が必要」「十分に制限的な政策はしばらく必要」との考えを示した。

 ユーロ円は小反落。終値は139.10円と前営業日NY終値(139.14円)と比べて4銭程度のユーロ安水準。ドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、相場は方向感が出なかった。

本日の参考レンジ
ドル円:127.76円 - 128.93円
ユーロドル:1.0782ドル - 1.0840ドル
ユーロ円:137.92円 - 139.43円

(中村)
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