株式明日の戦略-続伸も27500円は超えられず、目先は強弱感が交錯か

 30日の日経平均は続伸。終値は50円高の27433円。米国株高を受けても寄り付きは1桁の上昇。場中はマイナス圏に沈むと下げ渋った一方、上げ幅を広げて27500円に近付くと値を崩し、プラス圏とマイナス圏を行き来した。前場は大半の時間をプラスで推移して高値圏で終了。一方、後場に入るとマイナス圏で推移する時間が長かった。経済界の重鎮や学識者で構成される団体「令和臨調」が、政府・日銀の共同声明の見直しを提言したと伝わり、これを受けて円高が進行。指数もこれに反応して弱含んだ。それでも終盤にかけては盛り返し、プラス転換から上げ幅を拡大。後場の高値圏で取引を終えた。TOPIXはほぼ横ばいながら下落で終えた。

 東証プライムの売買代金は概算で2兆7700億円。業種別では化学、繊維、空運などが上昇している一方、鉄鋼、石油・石炭、鉱業などが下落している。1Qの好決算が評価されたM&A総合研究所<9552.T>が、場中は値が付かずストップ高比例配分。反面、3Qが大幅な減益となった日本M&Aセンターホールディングス<2127.T>はストップ安と、M&A関連2社が明暗分かれる動きを見せた。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり960/値下がり794。上方修正と1:5の分割を発表したファナックが3.6%高。先週1:5の分割を発表した信越化学が連日の大幅高となり、超値がさ株のSMCに分割を期待した買いが入った。佐川急便の宅配便運賃値上げを決定したSGHDは、通期見通しを下方修正したものの、先の業績改善期待が勝って4%を超える上昇。ヤマトHDや福山通運など同業に連想買いが入った。上方修正を発表したアジアパイルや配当見通しを大幅に引き上げたサンワテクノスが急騰。通期の利益見通し引き上げや増配などを発表したエージーピーがストップ高となった。

 一方、日本製鉄や神戸鋼など先週強かった鉄鋼株が軒並み安。原油安を受けてINPEXが弱く、住友商事や三菱商事など商社株も売りに押された。SHOEIやKOAが決算を受けて大幅下落。下方修正を発表したHCSHDが15%安と急落した。業績相場が本格化する中、直近上場のテクノロジーズが一時ストップ安となるなど大きく値を崩した。

 日経平均は続伸したが、高値は27486円まで。1月26日の高値が27502円、27日の高値が27452円で、頭打ち感が台頭している。一方で、後場に売られる場面がありながらしっかりプラスで終えており、下値は堅い。楽観に傾きすぎず、それでいて大崩れもしないというのは、決算銘柄をトレードするには悪くない環境。信越化学やファナックなど主力でも上方修正銘柄が出てきており、業績への過度な懸念は後退している。本日引け後にはOLCが上方修正を発表している。米国ではあすからFOMCが開催される。東京市場で結果を消化するのは木曜2月2日で、目先の指数は手掛けづらさが意識されそう。27500円が壁となって押した場合、75日線(27198円、30日時点)がサポートとして機能するかどうかが注目点となる。
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