株式明日の戦略-大幅高で27000円台を回復、あすは日本電産下方修正の影響を注視

 24日の日経平均は大幅に3日続伸。終値は393円高の27299円。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1468/値下がり312。米国で半導体株の動きが良かったことから、アドバンテストやSUMCOなど半導体関連が人気化。決算発表を前に日本電産が買いを集めた。ホンダとリチウムイオンバッテリーに関する協業を発表したGSユアサが大幅上昇。子会社のスピンオフおよび上場準備を開始すると発表したメルコHDが急伸した。モルフォやサンオータスがそれぞれリリースを手がかりにストップ高まで買い進まれた。

 一方、日本製鉄の急失速が警戒されて、神戸鋼や中山製鋼など鉄鋼株が軒並み安。川崎汽船など海運大手3社も後場に崩れて下落で終えた。月次が失望を誘ったしまむらが3%を超える下落。冬物衣料の販売低調が警戒されてアダストリアやUアローズなど他のアパレルにも売りが広がった。ほか、下方修正を発表した亀田製菓が軟調となった。

 日経平均は27000円を上回り、27300円台まで水準を切り上げた。昨年以降、26000円より下では下げ渋り、28000円を超えてくると上値が重くなるというパターンが続いているが、ここまでは過去のパターンと似た動きになっている。直近では、昨年10月3日に25621円まで下げた後、戻して11月24日の28502円で天井を打ち、今年の1月4日には25661円まで下落した。傾向的には28000円台回復から昨年11月高値くらいまでの戻りは期待できそうではある。連日の大幅高でチャートは大きく改善しており、個別でも下げ止まり感が出てきた銘柄が増えている。

 日本株としては流れが良くなってきた中、引け後に日本電産が通期の利益見通しを大きく引き下げた。23.3期の純利益見通しを1650億円から600億円(前期比55.8%減)まで下方修正しており、印象は悪い。同社の下方修正が個別の要因として消化されるのか、それとも他のハイテクグロース株にもネガティブな影響が及ぶのかは注視しておく必要がある。あす日経平均が下げたとしても、それだけで足元の戻り基調が止まることはないだろう。ただ、ハイテク株があまりに強く売られるようだと、先高期待は後退する。米国でもきょうは24日はマイクロソフト、あす25日はテスラと、主力グロース株の決算が出てくるだけに、ここから数日はグロース株の真価が問われる局面となる。
株式会社DZHフィナンシャルリサーチより提供している情報(以下「情報」といいます。)は、 情報提供を目的とするものであり、特定通貨の売買や、投資判断ならびに外国為替証拠金取引その他金融商品の投資勧誘を目的としたものではありません。 投資に関する最終決定はあくまでお客様ご自身の判断と責任において行ってください。情報の内容につきましては、弊社が正確性、確実性を保証するものではありません。 また、予告なしに内容を変更することがありますのでご注意ください。 商用目的で情報の内容を第三者へ提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。 情報の内容によって生じた如何なる損害についても、弊社は一切の責任を負いません。