株式明日の戦略-大幅安スタートから終日軟調、ただし過度な悲観は禁物

 19日の日経平均は3日ぶり大幅反落。終値は385円安の26405円。米国では弱い経済指標を受けてダウ平均が600ドルを超える下落。加えてドル安・円高が進行したことも嫌気されて、寄り付きから大きく水準を切り下げた。安く始まった後も戻りを試す動きは限定的。前場では節目の26500円近辺では下げ渋ったが、後場に入ると26500円より下が定着した。下げ幅を400円超に広げる場面もあり、安値圏で取引を終了。一方、米国の長期金利低下に新興グロース株が好反応を示し、マザーズ指数やグロースコア指数は上昇した。

 東証プライムの売買代金は概算で2兆5100億円。業種別ではプラスは空運と小売の2業種のみで、サービスが小幅な下落。一方、輸送用機器、保険、鉱業などが強めに売られた。政策期待から育児関連が人気化しており、SERIOホールディングス<6567.T>やKids Smile Holdings<7084.T>がストップ高。半面、ソフトバンクG<9984.T>が3.7%安と弱さが目立った。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり505/値下がり1247。良好な訪日外客数データを好感して、高島屋、松屋、三越伊勢丹など百貨店株が逆行高。OLCやサンリオ、藤田観光などレジャー株にも買いが入った。決算発表後に評価が高まっているベイカレントが6%を超える上昇。上期の利益見通しを引き上げた鈴木が昨年来高値を更新した。ELEMENTSは日証金が増し担保金徴収措置を解除したことを材料に、ストップ高まで買い進まれた。

 一方、米長期金利の急低下を受けて為替が円高に振れたことから、トヨタ、日産自、三菱自、マツダなど自動車株が軒並み大幅安。レーザーテック、東京エレクトロン、日本電産、太陽誘電などハイテク関連も多くが大幅安となった。米金利の低下を嫌気して、三菱UFJ、三井住友、東京海上、MS&ADなど金融株が全般軟調。個別に材料のあったところでは、今期の大幅減益計画を提示したネクスGや、海外で売り出しを実施すると発表したANYCOLORなどの下げが大きかった。

 日経平均は大幅安。円高を伴って米国株が大きく下げたことから、押し目を積極的に拾うような動きは見られなかった。18日の米国株が経済指標に神経質に反応しているだけに、今晩発表予定の12月住宅着工件数や1月フィラデルフィア連銀景気指数に対してどのような動きを見せるかが注目される。米国株が一段安となり、ドル安(円高)を招くようだと、あすの日本株は週末を前にリスク回避ムードが強まるかもしれない。

 ただ、来週からは日米ともに決算発表が本格化してくる。本日米国ではネットフリックスやP&Gの決算が出てくることからこれらの内容も注目されるが、決算発表時は個別重視の様相が強まり、外部環境には良くも悪くも鈍感となってくる。日経平均はきのうの上げ分が大きく、きょうの時点(19日終値:26405円)で週間では約285円の上昇。1月4日につけた直近安値の25661円にはまだ距離があり、底割れを警戒するような状況ではない。もう一段押すようなら、そこは良い買い場と捉えたい。
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