株式明日の戦略―今晩重要なのはCPIの結果よりも金融市場の反応

 12日の日経平均は横ばい。終値は3円高の26449円。

 個別の値上がり率上位では、通期の連結経常利益予想や期末配当予想を上方修正したタマホームが急伸したほか、子会社提供サービスに対する否定的な報道記事について反論を発表したエスプールが大幅反発。EV関連である東光高岳が昨年来高値を更新した。メガバンクや地銀株の一角も上位に入った。一方、値下がり率上位では、1Q営業黒字転換も進ちょく遅れが嫌気されたコシダカホールディングスが急落。12月度の売上高伸び鈍化でシュッピンが大幅反落となったほか、ABCマートは3Q累計が大幅増益ながらも通期予想の据え置きが嫌気された。gumiやヤーマン、ラウンドワンなど前日の大幅高の反動で売られるものも目立った。

 あすは、今晩発表の米12月消費者物価指数(CPI)に対する金融市場の反応がポイントとなる。先週末の12月雇用統計では賃金の伸びが鈍化したことや、12月ISM非製造業PMIが予想以上に悪化したことで、米連邦準備理事会(FRB)による積極的な利上げへの警戒感が和らいだ。12月のCPIでは変動の大きい食品、エネルギーを除くコア CPI の市場予想は前年比+5.7%となっており、11月の+6.0%から伸び率がさらに鈍化する見通し。

 欧米株がこのところ堅調に推移しており、これがインフレ鈍化を先取りするかたちであれば、予想以上に強い結果になる場合のネガティブサプライズも警戒すべきだろう。ただ、米経済指標に対する米長期金利の反応が鈍くなっており、高インフレ→金利上昇→株安の単純なシナリオも描きづらく、さまざまな織り込み方が必要だろう。

 米主要指数は日足ベースでは陽転している短期テクニカル指標も多くなっており、あすの日本株にとって直接的に重要なのは米CPIの結果ではなく、それを受けた米株やドル円相場の反応である。強い結果でも米株高や円安・ドル高なら、日本株には追い風だろう。1月限オプションSQ算出日もあり、寄り付き以降は上下方向感が強くなる可能性も高い。
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