株式明日の戦略-4日続伸も26500円には届かず、あすは「待ち」の1日に

 11日の日経平均は大幅に4日続伸。終値は270円高の26446円。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1493/値下がり287。3Q決算が好感された安川電機が6.3%高。ロボット・FA関連に好影響が波及してファナックやキーエンスが大幅高となった。レーザーテック、ソニーG、富士通などハイテクの一角が買いを集めたほか、バリュー系でも日本製鉄が連日で昨年来高値を更新。決算を材料にわらべや日洋やスタジオアリスが急伸した。マイクロ波化学が全市場の売買代金ランキングトップ5に入る大商いとなり、14.9%高と値を飛ばした。

 半面、欧州で「レカネマブ」の販売承認申請を提出したと発表したエーザイは、買われる場面があったものの失速して2%を超える下落。リスクオンの地合いの中、第一三共、中外製薬、塩野義製薬など薬品株の多くが売りに押された。リオープニングやインバウンド関連が嫌われており、JAL、ANA、JR各社、HIS、サンリオなどが下落。決算が失望となったキユーピーやバイク王が急落した。育児関連としてストップ高が3日続いていたSERIOHDは、大幅高スタートから一転崩れて7%を超える下落となった。

 日経平均は大幅高ではあったが、前場で26479円まで上昇しながら、26500円にワンタッチもできなかったのは、やや気になる動き。主力銘柄は強く買われた銘柄とそうでない銘柄に濃淡が結構ついており、新興銘柄もグロース市場の売買代金ランキングを見ると、マイクロ波化学<9227.T>と昨年12月20日に新規上場したばかりのmonoAI technology<5240.T>が突出している。限られた銘柄に資金が集中しすぎると、それらが崩れた際に地合いが一気に悪化することもある。マザーズ指数は本日25日線近辺まで戻してきたが、一段高となるか天井感が出てくるかの分岐点かもしれない。

 今週は米国で12日に発表される米12月CPIの注目度が高く、あすの東京市場は「待ち」の1日になると思われる。日経平均がきょうまで4日続伸したことでセンチメントは大きく改善しているが、弱い動きが出てきた場合には、リスク回避姿勢が強まる可能性もある。言い換えれば、あすの売り圧力が限定的であれば、1月5日以降の戻りは本物ということ。どちらにしてもCPIを消化する13日はそれなりに値幅が出そうではあるが、その手前で落ち着いた動きが見られるかに注目したい。
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