株式明日の戦略-反発も底打ち感は高まらず、あすは買い手控え要因が多い

 5日の日経平均は反発。終値は103円高の25820円。米国株高を好感して、寄り付きから3桁の上昇。高く始まった後はしばらくじり高基調が続いた。しかし、上げ幅を200円超に広げて25900円台に乗せたところでは上値が抑えられた。10時台半ばから後場をまたいで13時あたりまでは値を消す展開。ただ、マイナス圏に沈むことはなく盛り返して再び上げ幅を3桁に広げると、そこからは落ち着いた動きが続いた。値下がり銘柄が結構多く、TOPIXはプラス圏とマイナス圏を行き来したが、終値ではプラスを確保した。

 東証プライムの売買代金は概算で2兆5800億円。業種別ではガラス・土石、電気機器、サービスなどが上昇した一方、保険、銀行、空運などが下落した。12月の月次好調が確認できた百貨店の松屋<8237.T>が大幅上昇。反面、円谷フィールズホールディングス<2767.T>、SANKYO<6417.T>、マースグループホールディングス<6419.T>など、昨年のパフォーマンスが良かった遊技機関連がそろって大きく値を崩した。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり662/値下がり1114。半導体株が強く買われており、東京エレクトロンが4%高。EVの新ブランドをお披露目したソニーGが買いを集めた。岸田首相が重点政策として「異次元の少子化対策」を掲げたことを受けて幼児活動研究会やベビーカレンダーなどが関連として人気化し、SERIOがストップ高。投資先である米リフト社の有価証券評価損を計上すると発表した楽天Gは、評価損益のヘッジにより連結業績への重要な影響はないとしており、6%を超える上昇となった。

 半面、米長期金利の低下を受けて、三菱UFJや三井住友など銀行株が下落。日本郵船など海運大手3社が連日で売りに押された。大林組や大成建設など大手ゼネコンが軒並み軟調。JAL、ANAやJR各社なども弱く、内需系の銘柄が敬遠された。きのうEV充電器関連として賑わったモリテックスチールや東光高岳が一転大幅安。細谷火工や石川製作所など防衛関連の下げが大きかった。

 日経平均は反発。ただ、プライムでは値下がり銘柄の方が多く、終値(25820円)は寄り付き(25825円)をわずかではあるが下回った。高値(25947円)は26000円や5日線(26013円、5日時点)に届いておらず、底打ち期待が高まるような上昇ではない。あすは米雇用統計の発表前かつ、東京市場は三連休を控える。大発会は大幅安となり、米国株も不安定な動きが続いていることから、買いは入りづらいとみておいた方が良い。きょうは昨年大きく上昇した銘柄に崩れるものが散見された。本日の米国株が下落するなど海外からのフォロー材料がなかった場合には、値持ちが良かったというだけで売られる銘柄が増える可能性があり、注意を要する。日経平均に関しては、強い上昇は期待薄ではあるが、昨年10月3日の安値25621円を下回ることなく、現状近辺で値を固めることができるかが注目される。
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