株式明日の戦略―3日続伸も場中は伸び悩む、26000円より上を維持できるか

 10日の日経平均は3日続伸。終値は201円高の26175円。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり955/値下がり809。FDAからアルツハイマー病治療薬「レカネマブ」の迅速承認を取得したと発表したエーザイが、上値を抑えられながらも5%近い上昇。ダイキンやSMCなど値がさの機械株に非常に強い動きが見られた。国内建設用鋼材の値決め間隔を短縮すると報じられた日本製鉄が大幅高。中国がゼロコロナ政策を事実上終了したと伝わったことを手がかりに、寿スピリッツ、共立メンテナンス、エアトリなどインバウンド関連に資金が向かった。岸田政権が非正規労働者などを対象とした子育て支援を実施すると伝わったことから、先週動意づいた育児関連が引き続き賑わっており、SERIOHDがストップ高比例配分。ストップ高は3営業日連続となった。

 半面、米指標を受けて米国の長期金利が低下したことから、三菱UFJや三井住友など銀行株が軟調。NTT、KDDI、SBの大手通信株が軒並み安となった。薬品株は材料があって買われたエーザイを除いては、武田、アステラス、第一三共など下落したものが多かった。1Qが大幅な減益となった良品計画が10%近い下落。半導体などハイテクグロース株には強い動きが見られたが、サービス系のグロース株は蚊帳の外となり、リクルートHDが大幅安となった。

 日経平均は上昇したが、開始早々に高値をつけた後は伸び悩んだ。3営業日続けて3桁の上昇となっており、「ホップ、ステップ、ジャンプ」のジャンプに相当する強い動きが見られれば底打ち感が出てきそうでもあった。水準的にも25日線(26967円、10日時点、以下同じ)までは抵抗も少なかっただけに、寄り付き近辺で取引を終えたのは物足りない。きょうに関しては、値下がり銘柄が結構多かったのも気になる動き。業種別でも序盤では銀行やディフェンシブセクターの一角が弱かった程度であったが、終わってみれば33業種中、14業種が下落している。米国の金利低下を受けても三菱UFJなどメガバンクが比較的値を保っており、日本の金利上昇に対する懸念が拭いきれないようでもある。終日5日線(25956円)より上で推移できたことは安心材料ではあるだけに、あすは悪くても26000円より上をキープできるかに注目したい。
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