株式明日の戦略-日本株独歩安の様相が強まる、あすも買い手控えムードは強いか

 16日の日経平均は大幅続落。終値は297円安の25822円。13日の米国株は上昇したが、円高進行が嫌気され、寄り付きから200円を超える下落。節目の26000円を大きく下回った。今晩の米国が休場ということもあり、安く始まった後の動意は限られた。幾度か下を試す場面はあったが、25700円台では下げ渋った。一方、戻りを試す局面では25900円台に乗せると重くなった。次第に25800円近辺でこう着感が強まり、ほぼ寄り付き近辺の水準で取引を終えた。

 東証プライムの売買代金は概算で2兆5500億円。業種別では石油・石炭、繊維、その他金融などが上昇した一方、銀行、海運、非鉄金属などが下落した。3Q累計の純利益が通期の会社計画を超過したヨシムラ・フード・ホールディングス<2884.T>が一時ストップ高となるなど急騰。反面、下方修正と減配を発表したデンカ<4061.T>が急落した。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり458/値下がり1322。日本でも「レカネマブ」の承認を申請したと発表したエーザイが強い上昇。炭素繊維の生産増強観測を材料に東レが買いを集めた。円高進行で自動車株には売られるものも多かった中、トヨタがプラスを確保。決算が好感されたベイカレントやIDOMのほか、増配を発表した明和地所が急伸した。

 一方、三菱UFJや三井住友など銀行株が、上昇スタートから値を消して一転大幅安。先週、決算を材料に売られたファーストリテイリングが一段安となった。ほか売買代金上位銘柄では、東京エレクトロン、川崎汽船、monoAIなどが大幅安。決算が失望材料となった銘柄が叩き売られており、バリュエンスやSERIOHDがストップ安。オキサイドは場中に値が付かずストップ安比例配分となった。

 13日の米国株は3指数がそろって上昇。きょう16日はキング牧師誕生記念により米国が休場で、日本株は本来であれば上がりやすい日。しかし、日経平均は寄り付きから大幅安となり、場中もさえない動きが続いた。TOPIXやマザーズ指数も弱く、日本株全体としての買いづらさが強く意識されている。その理由が日銀であることは明白で、先週後半から日銀絡みのニュースで為替が円高に振れていることが警戒されている。日銀会合は17~18日に開催される。結果が発表される18日はガラッと雰囲気が変わる可能性もあるが、その手前の17日は、前日の米国株が休場で手掛かり難ということもあり、きょう同様に買い手控えムードが強まるだろう。1月4日の安値25661円や昨年10月3日の安値25621円を割り込んでしまうと、そのことが売り材料となりかねないため注意したい。
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