ロンドン為替見通し=英欧の金融政策に注目、先行きへのヒント示されるか

 本日のロンドンタイムでは英欧の金融政策が最も注目される。それまでは昨日の米金融政策やパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の会見から、FRBの次の一手を推し量りながらの取引となりそうだ。

 昨日NY午後の流れを引き継いでアジア時間から欧州通貨は対ドルで強含み、ユーロドルは昨日抑えられた1.10ドルを超えて、昨年4月以来の水準まで上昇している。米利上げ幅が縮小し、引き締めサイクルも終盤に差し掛かっているとの見方が強まる一方、欧州中央銀行(ECB)はまだ暫く引き締めを強化せざるを得ないとの見通しが根強いようだ。

 確かに先日発表されたスペインの消費者物価指数(CPI)上振れは市場を驚かせたが、昨日の1月ユーロ圏消費者物価指数(HCPI)は前年比総合で想定以上に減速していた。まだ水準的には高いため、タカ派の欧州金融当局者が訴え続けている0.5%利上げは、本日だけでなく次回3月でも決定されるのだろう。ただし鈍化基調が徐々に強まるなか、年央の理事会に向けた何らかのヒントをラガルドECB総裁が出してくるかもしれない。総裁会見は注意深く見守る必要があるだろう。

 イングランド銀行(英中銀、BOE)も金融政策委員会(MPC)で0.5%の追加利上げを決定する見込み。現状では、夏までにさらに合計0.5%の引き上げが見込まれている。ポイントは年後半に向けたBOEスタンス。今春終わりごろかインフレ鈍化が顕著になると見られており、加えてリセッションへの警戒感も高まるなか「年末までに英利下げ」を織り込む動きも出始めた。こちらもMPC議事要旨や同時に発表される金融政策レポート、ベイリーBOE総裁の発言を点検しながらポンドを取引することになりそうだ。

想定レンジ上限
・ユーロドルは昨年4月1日高値1.1076ドル、ポンドドルは昨年6月10日高値1.2518ドル。

想定レンジ下限
・ユーロドルは日足一目均衡表・転換線1.0901ドル、ポンドドルは1日安値1.2273ドル。

(小針)
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