欧州マーケットダイジェスト・2日 株高・金利大幅低下・ユーロ安・ポンド安

(2日終値:3日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=128.49円(2日15時時点比▲0.09円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=140.17円(▲1.53円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0909ドル(▲0.0111ドル)
FTSE100種総合株価指数:7820.16(前営業日比△59.05)
ドイツ株式指数(DAX):15509.19(△328.45)
10年物英国債利回り:3.006%(▲0.301%)
10年物独国債利回り:2.080%(▲0.204%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)        <発表値>    <前回発表値>
英中銀、政策金利発表       4.00%に引き上げ    3.50%
欧州中央銀行(ECB)、政策金利   3.00%に引き上げ    2.50%

(各市場の動き)
・ユーロドルは軟調。欧州中央銀行(ECB)はこの日の定例理事会で、市場予想通り政策金利を0.50%引き上げることを決めたと発表。声明では「金利は依然として安定したペースで大幅に上昇する必要がある」と指摘し、次回3月の理事会でもさらに0.50%の利上げを実施する意向を表明した。ただ、「その時点でその後の金融政策の道筋を評価する」とした。
 また、ラガルドECB総裁は理事会後の会見で「物価上昇圧力は依然として強い」としながらも、「インフレ見通しに対するリスクはより均衡した」「3月の0.50%利上げ後は経過をみていく」と発言。市場では「ECBが3月以降の利上げ停止、もしくはペース減速の可能性に道を開いた」と受け止められた。独10年債利回りが20bp以上の大幅低下となり、全般ユーロ売りが広がると一時1.0886ドルと日通し安値を更新した。
 ただ、ラガルド氏は「利上げは完了していないと認識」「インフレを2%の目標に回帰させるため、路線を維持する」と述べ、この日の決定は利上げサイクルが終わりに近いことを意味するという解釈を否定している。

・ポンドドルは一時1.2232ドルまで下落した。英中銀(BOE)はこの日、市場予想通り政策金利を0.50%引き上げると発表。声明では前回の「一段のインフレ圧力の兆候に対し必要に応じて強力に対応する」としていた表現を「今後はより持続的なインフレ圧力の証拠があれば、一段の金融引き締めが必要になる」に緩めた。また、世界的にインフレは高止まりしているものの、英国を含め多くの先進国でピークに達した可能性があると指摘した。市場では「BOEの積極的な利上げサイクルが終了に向かっている可能性が示唆された」と受け止められ、ポンド売りが優勢になった。英10年債利回りは30bp以上の大幅低下となった。

・ドル円は方向感に乏しい展開となった。日本時間夕刻に一時129.12円と日通し高値を付けたものの、前日安値からの戻り高値129.15円がレジスタンスとして意識されると失速した。米長期金利の低下に伴う円買い・ドル売りが入ると、22時30分過ぎに128.09円と日通し安値を付けた。ただ、対ユーロ中心にドル高が進むと円に対してもドル買いが入り128.91円付近まで持ち直している。

・ユーロ円は軟調。ECB理事会の結果やECB総裁の発言を受けて、ECBの利上げサイクルが近く終了するとの見方が強まると、欧州債利回りが大幅に低下。ユーロ全面安の展開となり、一時140.09円と本日安値を付けた。

・ロンドン株式相場は3日ぶりに反発。BOEはこの日、市場予想通り政策金利を0.50%引き上げると発表。声明では前回の「一段のインフレ圧力の兆候に対し必要に応じて強力に対応する」としていた表現を「今後はより持続的なインフレ圧力の証拠があれば、一段の金融引き締めが必要になる」に修正した。また、世界的にインフレは高止まりしているものの、英国を含め多くの先進国でピークに達した可能性があると指摘した。市場では「利上げサイクルが終了に向かっている」と受け止められ、株買いを促した。

・フランクフルト株式相場は大幅に3日続伸。ECBはこの日の理事会で、市場予想通り政策金利を0.50%引き上げると発表。次回3月の理事会でもさらに0.50%の利上げを実施する意向を表明した。ただ、「その時点でその後の金融政策の道筋を評価する」とした。市場では「ECBが3月以降の利上げ停止、もしくはペース減速の可能性に道を開いた」と受け止められ、株買いを促した。

・欧州債券相場は大幅に上昇。ECBの利上げサイクルが近く終了するとの見方が強まったことを受けた。

(中村)
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