欧州マーケットダイジェスト・16日 株高・金利上昇・ドル伸び悩み

(16日終値:17日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=133.91円(16日15時時点比△0.03円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=143.19円(▲0.14円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0693ドル(▲0.0012ドル)
FTSE100種総合株価指数:8012.53(前営業日比△14.70)
ドイツ株式指数(DAX):15533.64(△27.30)
10年物英国債利回り:3.499%(△0.012%)
10年物独国債利回り:2.478%(△0.003%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)
特になし

(各市場の動き)
・ドル円は伸び悩み。欧州勢参入直後は一時133.61円まで下押ししたものの、売りはあくまでポジション調整の域を出ず長続きしなかった。
 14日の1月米消費者物価指数(CPI)に続き、本日の1月米卸売物価指数(PPI)も予想を上回ったことが伝わると、米連邦準備理事会(FRB)による金融引き締めの長期化が意識されて、米長期金利の上昇とともにドル買いが活発化。24時前に一時134.46円と1月6日以来の高値を更新した。メスター米クリーブランド連銀総裁が「金利は5%を超えてしばらくそこにとどまる必要がある」「前回のFOMCでは0.50%の利上げでも説得力があった」と述べたことで、市場では「3月のFOMCでは0.50%の利上げもあり得るのではないか」との思惑も浮上した。
 ただ、1月6日の高値134.77円がレジスタンスとして意識されると失速した。米長期金利が上昇幅を縮めたことも相場の重しとなり、133.80円付近まで押し戻された。

・ユーロドルは下げ渋り。日本時間夕刻に一時1.0722ドルと日通し高値を付けたものの、前日の高値1.0745ドルがレジスタンスとして意識されると上値が重くなった。米インフレ指標の上振れで、米利上げの長期化観測が強まると全般ドル買いが優勢となり、一時1.0655ドルと日通し安値を更新した。米10年債利回りが3.8666%前後と昨年12月30日以来の高水準を付けたことも相場の重し。
 ただ、米10年債利回りが3.81%台まで上昇幅を縮めるとユーロドルにも買い戻しが入り、1.0696ドル付近まで下値を切り上げた。

・ユーロ円はもみ合い。ドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、相場は方向感が出なかった。欧州時間の安値は143.06円、高値は143.44円で値幅は38銭程度と小さかった。

・ロンドン株式相場は小幅ながら4日続伸し、史上最高値を更新した。前日発表の1月英CPIが3カ月連続で鈍化し予想を下回ったことで、英中銀(BOE)が利上げペースを減速させるとの観測が高まり買いが入りやすい地合いとなった。半面、米国株の下落が相場の重しとなり、伸び悩んだ。

・フランクフルト株式相場は小幅ながら続伸。前日の米国株高を受けて買いが先行したものの、本日の米国株が下落すると独株にも売りが波及し上値が重くなった。個別ではエアバス(4.91%高)やドイツ銀行(3.94%高)、アディダス(2.96%高)などが買われた半面、ザランド(2.29%安)やシーメンス・ヘルシニアーズ(2.10%安)などが売られた。

・欧州債券相場は下落した。米債安につれた。

(中村)
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