ロンドン為替見通し=まずは英指標を確認、その後は米金利次第か

 本日のロンドンタイムでは、まずは序盤に発表される英国の1月小売売上高で足もとの景況感を確かめ、同国金利動向を見定めながらの取引か。その後は、時間外ではあるが上昇基調をアジア午前に強めた米10年債利回りを睨みながらの展開となりそうだ。

 英小売売上高は12月からの改善が見込まれているものの、前年比予想は5%台の減少と依然としてさえない。もっとも、多くのアナリストが英経済の弱さを既に昨年末から指摘しており、低調な数値は織り込み済みとも言える。前月比で横ばい予想の「自動車燃料除く」がもしプラスとなれば、全体の印象が良く捉えられるかもしれない。

 昨日は、英中銀チーフエコノミストでもあるピル英MPC(金融政策委員会)委員が、利上げペース減速の可能性を示唆したことが報じられた。労働市場のタイト感が緩み、賃金上昇を背景としたインフレ圧力が弱まると見ているもよう。

 今週明らかになった英インフレの鈍化傾向やピル英MPC委員の発言を受け、短期金融市場はここからの英中銀の引き上げ幅は0.50%(0.25%利上げを2回)程度とし、年末の利下げを徐々に織り込んでいる。もし週末にかけて織り込み度が上昇すれば、米金利先高観が強まっているだけに、ポンドドルの下値余地が広がることになるか。

 ユーロドルはやや材料難のなか、ポンドドルや米長期金利の動きに左右されそうだ。ただ1.06ドル前半の1月6日安値をクリアに割り込むと、近場に強い支持となる水準はなさそうにも見える。仕掛け的な売りには注意しておきたい。なお今のところ短期金融市場は、欧州中央銀行(ECB)による利上げのピークを第4四半期とみているもよう。

想定レンジ上限
・ポンドドルは昨日NY午後の戻り高値1.2027ドル、ユーロドルは日足一目均衡表・転換線1.0729ドル。

想定レンジ下限
・ポンドドルは200日移動平均線1.1940ドルを割り込むと、1月6日安値1.1842ドルが次の目標値。ユーロドルは1月9日安値1.0634ドルを割り込むと、同月6日安値1.0484ドルが意識される。


(小針)
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