欧州マーケットダイジェスト・21日 株安・金利上昇・円安

(21日終値:22日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=134.82円(21日15時時点比△0.51円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=143.74円(△0.38円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0660ドル(▲0.0013ドル)
FTSE100種総合株価指数:7977.75(前営業日比▲36.56)
ドイツ株式指数(DAX):15397.62(▲79.93)
10年物英国債利回り:3.614%(△0.143%)
10年物独国債利回り:2.529%(△0.065%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)        <発表値>    <前回発表値>
2月仏製造業PMI速報値        47.9        50.5
2月仏サービス部門PMI速報値     52.8        49.4
2月独製造業PMI速報値        46.5        47.3
2月独サービス部門PMI速報値     51.3        50.7
2月ユーロ圏製造業PMI速報値     48.5        48.8
2月ユーロ圏サービス部門PMI速報値  53.0        50.8
2月英製造業PMI速報値        49.2        47.0
2月英サービス部門PMI速報値     53.3        48.7
2月独ZEW景況感指数         28.1        16.9
2月ユーロ圏ZEW景況感指数      29.7        16.7

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ドル円は底堅い動き。しばらくは134.60円を挟んだもみ合いの展開が続いていたが、NYの取引時間帯に入ると強含んだ。米10年債利回りが3.9467%前後と昨年11月10日以来の高水準を記録すると円売り・ドル買いが進行。2月米製造業・サービス部門・総合PMI速報値が予想を上回ったことも相場の支援材料となり、一時135.23円と昨年12月20日以来約2カ月ぶりの高値を更新した。
 ただ、米10年債利回りが3.90%台まで上昇幅を縮めるとドル円も134.68円付近まで伸び悩んだ。米国株相場の下落を背景に、クロス円中心にリスク回避の円買いが強まった影響も受けた。

・ユーロドルは一進一退。欧州勢参入直後に一時1.0688ドル付近まで上げたものの、ドイツやユーロ圏の2月製造業PMI速報値が予想を下回ったことが伝わると失速した。18時30分前に一時1.0643ドルと日通し安値を付けた。
 NY市場に入ると、米長期金利が上昇幅を縮めたタイミングでユーロ買い・ドル売りが強まり、一時1.0698ドルと日通し高値を更新。ラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁が「3月理事会では0.50%の利上げを予定している」と強調したこともユーロ買いを誘った。
 もっとも、前日の高値1.0705ドルが目先レジスタンスとして働くと再び下落した。ロンドン16時(日本時間1時)のフィキシングに絡んだユーロ売りのフローも観測されて、1.0653ドル付近まで下押しした。

・ポンドドルは底堅い。日本時間夕刻に一時1.1987ドルと日通し安値を付けたものの、2月英製造業・サービス部門PMI速報値が予想より強い内容だったことが分かると英景気減速懸念が和らぎ買い戻しが優勢となった。1時前には1.2147ドルと日通し高値を更新した。

・ユーロ円はじり高。ドル円の上昇につれた円売り・ユーロ買いがじわりと強まり、1時前に一時144.16円と本日高値を更新した。ただ、ダウ平均が一時580ドル超下落するなど、米国株が軟調に推移するとやや上値が重くなった。

・ロンドン株式相場は反落。前日に史上最高値を更新したあとだけに利益確定目的の売りが先行。時間外のダウ先物の下落なども相場の重しとなった。資源大手のアングロ・アメリカンが5%超下落。南アフリカの鉄鉱子会社が生産量の見通しを下方修正したことを受けて、売りが集まった。リオ・ティントやグレンコアなど他の素材株にも売りが波及した。

・フランクフルト株式相場は3日続落。2月独製造業PMI速報値が予想を下回ったことで投資家心理が悪化したほか、時間外のダウ先物が軟調に推移したことが相場の重しとなった。個別ではシーメンス・エナジー(2.64%安)やアディダス(2.39%安)、ザルトリウス(2.14%安)などの下げが目立った。

・欧州債券相場は米債安につれて下落した。ラガルドECB総裁が3月理事会で0.50%の利上げの可能性を改めて示したことも相場の重し。

(中村)
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