欧州マーケットダイジェスト・2日 株高・金利上昇・ユーロ安・ポンド安

(2日終値:3日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=136.94円(2日15時時点比△0.02円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=144.88円(▲0.51円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0580ドル(▲0.0061ドル)
FTSE100種総合株価指数:7944.04(前営業日比△29.11)
ドイツ株式指数(DAX):15327.64(△22.62)
10年物英国債利回り:3.881%(△0.043%)
10年物独国債利回り:2.751%(△0.040%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)        <発表値>    <前回発表値>
2月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値
前年比                8.5%       8.6%
2月ユーロ圏HICPコア速報値
前年比                5.6%       5.3%
1月ユーロ圏失業率           6.7%      6.7%・改

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ユーロドルは軟調。NY時間に米労働市場の底堅さを示す指標が発表されると、米連邦準備理事会(FRB)による利上げが長期化するとの観測が改めて強まり、ユーロ売り・ドル買いが優勢となった。3時前に一時1.0577ドルと日通し安値を付けた。
 なお、欧州時間発表の2月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値は前年比8.5%と予想の8.2%を上回り、エネルギーや食料品などを除くコア指数も前年比5.6%上昇と前月から伸びが拡大し、予想の5.3%を上回った。ただ、前日までにドイツやスペインなどユーロ圏主要国からインフレの上振れを示す指標が相次いで発表されていたため、為替相場の反応は限られた。
 また、2月2日分の欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨では「過度な金融引き締めへの懸念は時期尚早」との認識が出ていたことが分かったが、相場の反応は限定的だった。

・ドル円は底堅い。10-12月期米単位労働コスト改定値が前期比年率3.2%と予想の1.6%を上回り、速報値の1.1%から大幅に上方修正されたほか、前週分の米新規失業保険申請件数が19.0万件と予想の19.5万件より強い内容だったことが伝わると、米長期金利の上昇とともにドル買いが進んだ。23時前に一時137.09円と昨年12月20日以来の高値を更新した。米10年債利回りは一時4.0893%前後と昨年11月10日以来の高水準を記録した。
 ただ、137円台では利食い売りや戻り売りなどが出たため、滞空時間は短かった。市場では「200日移動平均線が位置する137.27円付近が重要なレジスタンスとして意識されている」との声も聞かれ、136.55円付近まで下押しした。

・ポンドドルは軟調だった。米労働市場の堅調さを示す指標が発表されると米金利の上昇とともにポンド売り・ドル買いが進んだ。23時30分過ぎに一時1.1926ドルと日通し安値を更新した。前日にベイリー英中銀(BOE)総裁が一段の利上げに慎重な姿勢を示したことから、市場では「BOEの利上げサイクルが終了に近い」との見方も浮上。ポンド売りが出やすい面もあった。

・ユーロ円は頭が重かった。日本時間夕刻に一時145.57円と昨年12月20日以来の高値を付けたものの、同日の高値145.83円がレジスタンスとして意識されると失速した。ユーロドルの下落につれた売りも強まると、一時本日安値となる144.80円まで値を下げた。

・ロンドン株式相場は続伸。中国経済の活動再開への期待から、BPやシェルなどエネルギー株に買いが入ったほか、リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株が買われ、相場を下支えした。半面、HSBCやバークレイズなど金融株が売られ、相場の上値を抑えた。

・フランクフルト株式相場は3日ぶりに小反発。売り先行で始まったものの、NYダウが上昇すると独株にも買いが波及し、引けにかけて持ち直した。個別ではアディダス(1.52%高)やエーオン(1.14%高)、メルク(1.10%高)などの上昇が目立った。半面、コベストロ(6.17%安)やドイツ銀行(1.26%安)などは下げた。

・欧州債券相場は下落。

(中村)
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