欧州マーケットダイジェスト・1日 株まちまち・金利上昇・ユーロ底堅い

(1日終値:2日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=135.94円(1日15時時点比▲0.48円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=144.98円(△0.50円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0665ドル(△0.0074ドル)
FTSE100種総合株価指数:7914.93(前営業日比△38.65)
ドイツ株式指数(DAX):15305.02(▲60.12)
10年物英国債利回り:3.838%(△0.012%)
10年物独国債利回り:2.711%(△0.060%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)        <発表値>    <前回発表値>
2月英ネーションワイド住宅価格指数
前月比                ▲0.5%     ▲0.6%
2月仏製造業PMI改定値         47.4        47.9
2月独製造業PMI改定値         46.3        46.5
2月独雇用統計
失業率                 5.5%       5.5%
失業者数変化             0.20万人  ▲1.10万人・改
2月ユーロ圏製造業PMI改定値      48.5        48.5
2月英製造業PMI改定値         49.3       49.2
1月英消費者信用残高        16億ポンド    8億ポンド・改
1月英マネーサプライM4
前月比                1.3%     ▲0.9%・改
前年比                2.7%       1.6%
2月独消費者物価指数(CPI)速報値
前月比                0.8%      1.0%
前年比                8.7%      8.7%

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ユーロドルは堅調。独10年債利回りが一時2.728%前後と2011年7月以来約12年ぶりの高水準を付けるなど、欧州債利回りが上昇したことを手掛かりにユーロ買い・ドル売りが先行した。22時発表の2月独消費者物価指数(CPI)速報値が予想を上回ったことが分かると、欧州中央銀行(ECB)の利上げ長期化観測が強まりユーロ買いが活発化。一時1.0691ドルと日通し高値を付けた。その後の下押しも1.0644ドル付近にとどまった。

・ポンドドルは上値が重かった。欧州勢参入直後には1.2089ドルと日通し高値を付ける場面があった。ただ、ベイリー英中銀(BOE)総裁が講演で「現時点では、利上げを終了するか、さらに多くのことをする必要があるかについては示唆しない。さらなる利上げが適切だと判明するかもしれないが、何も決まっていない」と語り、英経済とインフレ見通しを慎重に判断する必要があるとの考えを示すと、英利上げ継続観測がやや後退。全般ポンド売りで反応し、1.1965ドルまで値を下げた。

・ドル円は下値が堅かった。米10年債利回りが3.91%台まで低下したことを手掛かりに円買い・ドル売りが先行。21時過ぎに一時135.26円と日通し安値を付けた。ただ、米10年債利回りが一時4.0043%前後と昨年11月10日以来約4カ月ぶりの高水準を記録すると買い戻しが優勢に。24時過ぎには136.32円付近まで持ち直した。
 24時発表の2月米ISM製造業景気指数は47.7と予想の48.0を若干下回ったものの、投入価格指数が51.3と予想の46.5を上回り、インフレが当面高止まりする可能性が示された。米連邦準備理事会(FRB)による金融引き締めの長期化が意識されて、ドル買いを誘った面もあった。

・ユーロ円は底堅い動き。欧州債利回りの上昇を手掛かりにユーロ買いが先行したあとは、ドル円の持ち直しに伴う円売り・ユーロ買いが出て一時145.29円と日通し高値を付けた。

・ロンドン株式相場は反発。アジア時間発表の2月中国製造業PMIが予想を上回ったことを受けて、中国経済の活動再開への期待からリオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株中心に買いが集まった。HSBCやプルーデンシャルなど金融株も堅調だった。

・フランクフルト株式相場は続落。2月独CPI速報値が予想を上回ったことを受けて、ECBの利上げ長期化観測が強まると、株式への売りが優勢となった。個別ではボノビア(6.21%安)やフレゼニウス・メディカル・ケア(3.95%安)、フレゼニウス(3.61%安)などの下げが目立った。

・欧州債券相場は下落。ECBの利上げ長期化観測が強まる中、独国債に売りが出た。独10年債利回りは一時2.728%前後と約12年ぶりの高水準を記録した。

(中村)
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