NYマーケットダイジェスト・3日 株高・金利低下・ドル安

(3日終値)
ドル・円相場:1ドル=135.87円(前営業日比▲0.90円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=144.50円(▲0.44円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0635ドル(△0.0038ドル)
ダウ工業株30種平均:33390.97ドル(△387.40ドル)
ナスダック総合株価指数:11689.01(△226.03)
10年物米国債利回り:3.96%(▲0.10%)
WTI原油先物4月限:1バレル=79.68ドル(△1.52ドル)
金先物4月限:1トロイオンス=1854.6ドル(△14.1ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)        <発表値>   <前回発表値>
2月米サービス部門PMI改定値      50.6       50.5
2月米総合PMI改定値          50.1       50.2
2月米ISM非製造業指数         55.1       55.2

※改は改定値、▲はマイナスを表す。

(各市場の動き)
・ドル円は3日ぶりに反落。タカ派とされるボスティック米アトランタ連銀総裁が前日に「21-22日の米連邦公開市場委員会(FOMC)では0.25%の利上げを支持」と述べたことで、0.50%の大幅利上げ観測が後退。米長期金利の低下とともにドル売りが優勢となり、23時過ぎに一時135.81円まで下げた。
 24時発表の2月米ISM非製造業指数が55.1と予想の54.5を上回ったことが伝わると、136.42円付近まで下げ渋る場面もあったが戻りは限定的だった。週末を控えたポジション調整目的の円買い・ドル売りも入り、5時過ぎには135.75円と本日安値を更新した。
 なお、米連邦準備理事会(FRB)はこの日、半期に一度の金融政策報告書を公表し、「FRBは高インフレが経済にもたらす課題を痛感しているとし、2%のインフレ目標達成を強く確約する」と表明した。また、「FOMCは対応のために急速な利上げを行い、保有証券の縮小を続けた」とし、「FF金利を継続的に引き上げることが適切と予想している」との見解を示した。
 パウエルFRB議長は来週7-8日、同報告書をもとに米上下両院の委員会で議会証言を行う。

・ユーロドルは反発。NY勢参入直後に一時1.0630ドルまで上げたものの、予想を上回る2月米ISM非製造業指数を受けてユーロ売り・ドル買いが強まると1.0589ドルと日通し安値を付けた。
 ただ、米10年債利回りが3.95%台まで低下すると再びドル売りが優勢となり、5時過ぎには1.0639ドルと日通し高値を付けた。週末を控えたポジション調整目的のユーロ買い・ドル売りも入った。

・ユーロ円は続落。ユーロドルの上昇につれた買いが入った半面、ドル円の下落につれた売りが出たため一時144.30円と本日安値を付けた。その後の戻りも144.64円付近にとどまった。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は3日続伸。前日に4.0893%前後と昨年11月10日以来の高水準を記録した米10年債利回りが3.95%台まで低下したことで、相対的な割高感が薄れた高PER(株価収益率)のハイテク株中心に買いが入った。前日のボスティック米アトランタ連銀総裁のハト派的な発言を受けて、大幅利上げへの警戒感が後退したことも株買いを誘った。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は続伸した。

・米国債券相場で長期ゾーンは4日ぶりに反発。前日のボスティック米アトランタ連銀総裁のハト派的な発言を受けて、3月FOMCでの0.50%の大幅利上げ観測が後退。債券を買い戻す動きが広がった。足もとで相場下落が続いたあとだけに短期的な戻りを期待した買いも入った。

・原油先物相場は4日続伸。前日まで3日続伸し、週末のこの日は利益確定売りが先行した。ただ、前日のボスティック米アトランタ連銀総裁の発言を受けて大幅利上げに対する警戒感が緩んだことや、2月Caixin中国サービス部門PMIの強い結果を受けて中国景気回復によるエネルギー需要への期待感が強まっていることが相場の支えとなり、4日続伸して取引を終えた。

・金先物相場は反発。予想を上回る2月米ISM非製造業指数を受けて一時売りが入る場面もあったが、米長期金利の大幅低下したことや、2月Caixin中国サービス部門PMIの強い結果を受けて中国の景気回復を背景に同国の金需要増加への期待が高まっていることを背景に堅調な動きとなった。

(中村)
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