ロンドン為替見通し=ユーロ 対ドルでは米金利次第、対スイスフランはCPIに注目

 本日のロンドン為替市場でもユーロドルは、米金利動向を見定めながらの取引となってしまいそうだ。先週末も米長期金利の低下を背景に、1.05ドル後半から1.06ドル前半に下値を切り上げた。

 週末にはラガルド欧州中央銀行(ECB)総裁がスペイン紙とのインタビューで、「今月の理事会では0.50%の利上げが決定される可能性が高い」とこれまで通りの見解を述べた。発言に対する週明けの為替市場の反応は鈍く、ECBについては足もとというより、来年どうするかということが今後の焦点となるだろう。

 なお市場が注目しているパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言は、明日が上院・銀行住宅都市委員会、明後日は下院・金融委員会にて実施予定。一部通信社はタカ派メッセージを予想している。ただこればかりは実際に質疑応答を見定めねばならず、本日に関しては米債券市場を中心に持ち高調整に徹するかもしれない。

 欧州からの経済指標では2月スイス消費者物価指数(CPI)、同月英建設業購買担当者景気指数、1月ユーロ圏小売売上高が発表予定。どれも通常は相場を動意付けることが少ない。ただ、スイス国立銀行(中央銀行、SNB)の今年最初の金融政策決定会合を今月下旬に控え、同国インフレ指標は気にかけておきたい

 2月スイスCPIは前月比予想0.4%と前回0.6%から減速する見込み。前年比については1月に3.3%まで上昇率が加速したところから、2月は鈍化が予想されている。SNBが物価安定と見なす年率2%未満から高いものの、欧米諸国と比べると落ち着いた水準と言えるだろう。結果次第では、昨年6月から始まった利上げサイクルの休止も視野に入りそうだ。

 ECBとSNBの金融政策のかい離が意識されるようだと、先週はパリティ超えで頭を抑えられたユーロスイスフランが再び上値を目指すことになるか。ただしこの通貨ペアについては、ウクライナ・ロシアを巡る地政学リスクにも注意が必要となる。


 想定レンジ上限
・ユーロドルは1日高値1.0691ドル、ユーロスイスフランは2日高値1.0042フラン。

想定レンジ下限
・ユーロドルは1日安値1.0565ドル、ユーロスイスフランは2月24日安値0.9888フラン。


(小針)
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