ロンドン為替見通し=ユーロ圏インフレの鈍化程度を確認し、米雇用統計待ち

 本日のロンドン為替市場では複数の欧州経済指標を確認しながらも、結局は米雇用統計待ちの様相となりそうだ。指標は11月独小売売上高や12月英建設業PMIなどあるが、注目はやはりユーロ圏12月消費者物価指数(HICP、速報値)だろう。独仏と主要国のインフレ減速が認められた後なだけに、前年比総合が前回10.1%からどの程度まで鈍化しているのかに注目が集まる。市場予想は9.5%とされているものの、独仏のように予想比下振れも念頭に置いたほうが良いのではないか。

 注意すべきはHICPコアの高止まり。前年比が予想通り5.1%となれば、統計が始まって以来の最高水準を更新することになる。

 先月末、足もとのインフレが22%を超えているリトアニアの中銀総裁が、ユーロ圏インフレ率は同国に半年遅れで追随していると言及。HICPが期待されたほどの数値ではなかった場合、経済成長の足かせに繋がるとされてユーロの上値の重さに繋がるかもしれない。

 なおウクライナ情勢については、プーチン露大統領がロシア正教のクリスマスに合わせた停戦を表明。もっともウクライナ側は否定的な姿勢であり、西側も露軍が停戦を守る可能性は低いとの見方のようだ。週末にかけて新たな動きがあるかもしれず、依然として注視する必要はあるだろう。

想定レンジ上限
・ユーロドルは4日高値1.0635ドル。

想定レンジ下限
・ユーロドルは12月7日安値1.0443ドル。


(小針)
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