ロンドン為替見通し=まずは日銀総裁の会見、その後は欧州債動向に注目

 本日のロンドンタイムでは、序盤は黒田日銀総裁の総裁としては最後の定例記者会見を眺めながら円絡み中心の値動きとなりそうだ。その後は債券や株式動向を見定め、欧州午後(日本時間22時30分)に発表される2月米雇用統計を待つことになる。

 欧州時間の経済指標としては、独やノルウェーから2月消費者物価指数(CPI)、英国から月次GDPや鉱工業生産など。独CPIは改定値ではあるものの、前年比の上振れには注意しておきたい。ノルウェーCPIについては、前回から減速が見込まれる前年比の下振れ幅に目を向けておきたい。英経済については、リセッション回避への期待が徐々に高まっているもよう。1月指標ではあるが、先行き楽観的な見方を強められるかがポイントとなりそうだ。

 他に注意すべきは、昨日の米市場で株価が暴落した米金融持ち株会社SVBファイナンシャル・グループの影響がどの程度まで欧州市場に波及するか。一部では今後のクレジット・クランチ(信用収縮)を懸念する声も出ており、アジア時間では安全資産とされる米国債を買う動きが強まった。

 欧州で安全資産とされるドイツ国債にも資金が向かうのだろうが、イタリアなど債務国の債券市場に対しては不透明。こういった状況で独伊債利回り格差が広がるようだと、通貨ユーロにとってはネガティブと受けとめられるかもしれない。

想定レンジ上限
・ユーロドルは21日移動平均線1.0633ドル、ユーロ円が9日安値144.89円。

想定レンジ下限
・ユーロドルは8日安値1.0525ドル、ユーロ円が90日移動平均線142.76円。


(小針)
株式会社DZHフィナンシャルリサーチより提供している情報(以下「情報」といいます。)は、 情報提供を目的とするものであり、特定通貨の売買や、投資判断ならびに外国為替証拠金取引その他金融商品の投資勧誘を目的としたものではありません。 投資に関する最終決定はあくまでお客様ご自身の判断と責任において行ってください。情報の内容につきましては、弊社が正確性、確実性を保証するものではありません。 また、予告なしに内容を変更することがありますのでご注意ください。 商用目的で情報の内容を第三者へ提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。 情報の内容によって生じた如何なる損害についても、弊社は一切の責任を負いません。