東京為替見通し=ドル円乱高下か、CPI・日銀正副総裁候補の所信聴取ほかイベント目白押し

 海外市場でドル円は、10-12月期米国内総生産(GDP)コアPCE改定値が4.3%と予想の3.9%を上回ったことから全般ドル買いが先行。一時135.36円と昨年12月20日以来約2カ月ぶりの高値を付けた。しかし、米10年債利回りが3.86%台まで低下したことも相場の重しとなり、134.49円と日通し安値を更新した。ユーロドルは1.0577ドルと1月6日以来の安値を付けた。

 本日のドル円は、重要イベントが目白押しとなることで乱高下になることが予想される。日本時間8時半に1月の本邦消費者物価指数(CPI)が発表される。市場では前年比で4.2%程度の上昇予想となっている。この何年かは大きな動きを見せない本邦の経済指標だが、特にインフレ高進が確認された場合には市場も反応を見せそうだ。

 続いて9時半頃から開催視される衆議院議院運営委員会で、午前は植田次期日銀総裁候補の所信聴取と質疑応答が予定されている。今月10日には「当面は金融緩和を続ける必要がある」「予断を持たず、柔軟に物価と景気に応じて適切な金融政策運営をしていく」と発言している植田氏だが、「異次元の金融緩和」の軌道修正を徐々に進めるという声が依然として根強い。所信聴取に関しては「安全運転になるのでは」との声が多いものの、質疑応答次第では市場を動意づけることになるだろう。なお、最近は些細な発言でもアルゴリズムを取り入れたAI取引が過剰に反応し、大きな動きを見せることがあるので、神経質な動きになることが予想される。
 また。午後には前金融庁長官の氷見野良三氏と日銀理事の内田眞一氏から所信を聴取したうえで、質疑を行う予定。

 両正副総裁候補の所信聴取が市場の最大のトピックとはなるが、本日は米国からも米連邦準備理事会(FRB)がインフレ指標として注視している1月の個人消費支出(PCE)価格指数が発表される予定。その後も米連邦準備理事会(FRB)関係者の講演が多数予定されていることで予断を許さない1日となりそうだ。


(松井)
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