ニューヨーク外国為替市場概況・15日 ユーロドル、5日ぶり反落

 15日のニューヨーク外国為替市場でユーロドルは5営業日ぶりに反落。終値は1.0577ドルと前営業日NY終値(1.0733ドル)と比べて0.0156ドル程度のユーロ安水準だった。スイス金融大手クレディ・スイス・グループを巡り、「筆頭株主のサウジ・ナショナル・バンクは追加投資をする意向がない」と報じられると、同行の株価が急落。米銀の破綻が相次ぐ中、欧州でも銀行の経営不安が広がったことから、投資家がリスク回避姿勢を強めユーロ売り・ドル買いが優勢となった。1時前には一時1.0516ドルと1月6日以来の安値を更新した。
 ただ、「スイス当局とクレディ・スイスは同行を安定させるための選択肢について討議している」との報道が伝わると、リスク回避の動きが若干和らぎ買い戻しが優勢に。4時過ぎは1.0592ドル付近まで下げ幅を縮めた。
 なお、スイス中銀(SNB)とスイス金融市場監督機構(FINMA)は共同で声明を出し、「クレディ・スイスはシステム上重要な銀行に課される資本および流動性要件を満たしている」「必要ならクレディ・スイスに流動性を供給する」と表明した。

 ドル円は反落。終値は133.42円と前営業日NY終値(134.22円)と比べて80銭程度のドル安水準だった。クレディ・スイスの株価急落で金融システム不安が再燃すると、欧米株価が軟調に推移。リスク・オフの円買いが優勢となった。2月米小売売上高や2月米卸売物価指数(PPI)が軒並み予想を下回ったことが分かると、米連邦準備理事会(FRB)が来週の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げを見送るとの観測も強まりドル売りを促した。22時過ぎには一時132.22円と約1カ月ぶりの安値を付けた。
 ただ、売り一巡後は下げ渋る展開に。スイス当局によるクレディ・スイス支援に関する報道が相場の下支え要因となり、133.77円付近まで下げ幅を縮めた。
 なお、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)グループがFF金利先物の動向に基づき算出する「フェドウオッチ」によると、21-22日のFOMCで金利据え置きを予想する確率は60%を超える場面があった。

 ユーロ円は大幅反落。終値は141.07円と前営業日NY終値(144.05円)と比べて2円98銭程度のユーロ安水準。欧米の金融不安再燃で株価が軟調に推移する中、リスク回避の円買い・ユーロ売りが広がった。22時過ぎには一時139.48円と約2カ月ぶりの安値を更新した。ただ、「スイス当局はクレディ・スイス安定化への選択肢を討議」との報道が伝わると141.58円付近まで下げ渋った。

本日の参考レンジ
ドル円:132.22円 - 135.11円
ユーロドル:1.0516ドル - 1.0760ドル
ユーロ円:139.48円 - 144.96円

(中村)
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