株式明日の戦略-主役不在でも高値引け、あすも良好な地合いが継続か

 4日の日経平均は3日続伸。終値は99円高の28287円。米国株はダウ平均が大幅高となった一方、ナスダックは下落とまちまちで、これを受けた寄り付きは小幅高。序盤はプラス圏とマイナス圏を行き来した。しかし、ほどなくプラス圏が定着。場中は上げては押し戻されといった動きを繰り返しながら、じわじわと水準を切り上げていった。値下がり銘柄は結構多かった一方で、売買代金上位銘柄の動きが良かった。後場の指数は静かに強く高値引け。ナスダックの下落が新興グロースには逆風となり、マザーズ指数とグロースコア指数はともに1%を超える下落となった。

 東証プライムの売買代金は概算で2兆8800億円。業種別では海運、その他製品、鉱業などが上昇している一方、鉄鋼、空運、サービスなどが下落した。前23.3期の利益見通しを引き上げた住石ホールディングス<1514.T>が急騰。半面、今24.2期の大幅減益計画が嫌気された平和堂<8276.T>が後場に入って急落した。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり889/値下がり853。任天堂が買いを集めて4.6%高。新作映画に対する期待が高まったとの見方があった。日本郵船、川崎汽船、商船三井の海運大手3社が大幅上昇。米国でディフェンシブ株に資金が向かったことから、関西電力や北陸電力など電力株に強い動きが見られた。決算が好感された象印マホービンが急伸。リチウムイオン電池に関するリリースを材料に安永が値を飛ばした。

 一方、ナスダック安が嫌気され、アドバンテストやディスコなど半導体装置株への売りが続いた。日本製鉄、神戸鋼、JFEHDなど鉄鋼株が全般売りに押された。原油高による燃料高への警戒から空運大手のJAL、ANAが軟調。しまむらやネクステージなど決算が失望となった小売株の下げが大きくなっており、小売全般に売りが広がった。IPOラッシュが一巡する中、ハルメク、モンスターラボ、ノバシステム、ビズメイツなど、直近上場株に大きく値を崩すものが散見された。

 本日グロースに新規上場したトランザクション・メディア・ネットワークス(TMN)は、高い初値をつけたものの、終値は初値を大きく下回った。

 日経平均は3日続伸。何が上昇のけん引役であったかはっきりしなかったが、それでも指数は高値引けとなった。きょう強かった海運株や任天堂は、最近の値動きはさえなかった。海外動向などから何を買えば良いかはっきりしている日は、グロースでもバリューでも主役級の銘柄がしっかり買われ、きょうのように方向性が定まらなそうな日には、それまで嫌われていたり、物色の蚊帳の外にあった銘柄に見直し買いが入る。結果、日本株全体では下げづらくなって、指数は高値圏を維持するという好循環が生まれている。あすも大崩れは想定しづらい。米国株高などの追い風があれば、日経平均は28500円台に到達する公算が高い。
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