株式明日の戦略-バリュー株高に全体は気迷い、トレンドの見極めが重要に

 28日の日経平均は続伸。終値は41円高の27518円。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり684/値下がり1046。米金融株の大幅高を手がかりに、三井住友やみずほFGなどメガバンクが大幅上昇。第一生命やT&Dなど保険株にも資金が向かった。原油高を受けてINPEXや出光興産に買いが入り、コスモエネルギーが4%を超える上昇。カバーが大商いで5%高と直近上場株が賑わっており、SHINKOが一時ストップ高となるなど値を飛ばした。ほか、配当に関するリリースを材料に元旦ビューティ―がストップ高まで買い進まれた。

 一方、グロース株には逆風の地合いで、レーザーテック、ソフトバンクG、ソニーG、リクルートなどが下落。直近IPOでは下に値幅が出たものもあり、アイビスや日本ナレッジが大幅安となった。ANYCOLORはカバー同様に大商いとなったが、こちらは売り圧力が強く6.7%安。前日強かった鉄道株や不動産株が一転売られており、JR東海、西武HD、住友不動産などが軟調となった。ほか、訴訟を提起されたと発表したenishが大幅安となった。

 本日はArent、モンスターラボホールディングス、アクシスコンサルティングの3社がグロースに新規上場。いずれも高い初値をつけたが、その後はモンスターラボが初値を上回って終えた一方、ArentとアクシスCの終値は初値を大きく下回った。

 日経平均は小幅高。上値は重かった一方、後場に崩れたところでは押し目買いが入った。金融株や市況関連などバリュー株が相対的に強かったが、きのうまではこれらが非常に買いづらかっただけに、トレンドの変化を示唆するものなのかどうかが注目される。きょうはバリュー、あすはグロースといった風に日替わりになってしまうと、どちらにも腰の入った買いが入りづらくなる。米長期金利やドル円がどう動くかも要注目だ。あすは3月の権利付き最終日。2022年の権利付き最終日(2022/3/29)の日経平均は308円高(28252円)で終えており、後場の特に終盤にかけて強い買いが入って高値引けとなった。一方、2021年の権利付き最終日(2021/3/29)は207円高(29384円)となったが、一時400円超上昇したところから後場には急失速した。足元の日経平均は27000円~27500円レベルで煮詰まっており、値幅が出るかどうかは米国株次第だが、場中に急に値動きが荒くなる可能性がある点には注意を払っておきたい。


(小針)
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