株式明日の戦略-伸び悩むも3桁の上昇、28000円より上での値固めが進む

 4月に入り3日の日経平均は続伸。終値は146円高の28188円。先週末の米国株が大幅高となったことを受けて、寄り付きから3桁の上昇。28200円台に乗せた。高く始まった後はプラス圏で方向感に欠ける動きが続いた。前場では上げ幅を2桁に縮めてくると盛り返し、100円程度高い水準でもみあった。後場は3桁高の状態はキープしたが、28200円より上は重かった。指数は伸び悩んだ一方で、プライムの値上がり銘柄は多かった。また、グロースコア指数が3.5%高、マザーズ指数が1.8%高と、新興指数に強い動きが見られた。

 東証プライムの売買代金は概算で2兆8200億円。業種別では鉱業、石油・石炭、その他金融などが強い上昇。下落は海運とゴム製品の2業種のみで、医薬品の上昇が限定的となった。証券会社が目標株価を引き上げた日本板硝子<5202.T>が大幅上昇。半面、今24.2期の計画が小幅な最終増益にとどまったパレモ・ホールディングス<2778.T>が急落した。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1448/値下がり341。ファーストリテイリングが2.7%高。サウジアラビアの減産発表を手がかりに、INPEX、コスモエネルギー、富士石油など原油関連が買いを集めた。三菱UFJ、みずほFG、三井住友など銀行株は、米国の長期金利低下を受けても強い動きを見せた。日経記事を材料にメルカリが3%を超える上昇。純利益見通しの引き下げよりも営業利益見通しの引き上げの方が好感されたTKPが大幅高となり、上期の見通しを引き上げたアイビーシーがストップ高まで買い進まれた。

 一方、中期経営計画が好感されなかった商船三井が下落し、日本郵船や川崎汽船など同業にも売りが波及。輸出規制に対する警戒から、アドバンテスト、東京エレクトロン、レーザーテック、ディスコなど半導体装置株が大幅安となった。キーエンスやダイキン工業など値がさの一角が軟調。自社の農場で高病原性鳥インフルエンザの感染が発生したと発表したホクリョウが7%を超える下落となった。豪州の出資先炭鉱から配当金を受領したと発表した住石HDは材料出尽くしとの見方が強まったか、株価は強い売りで反応。ジーニーが業績関連のリリースを材料にストップ安まで売り込まれた。

 先週から初値が持ち越しとなっていたFusicは、公開価格比3.3倍となる高い初値をつけたが、寄った後は売りに押される展開。ストップ安をつける場面もあり、終値は初値を大きく下回った。

 日経平均は続伸。高く始まった後の上値は限られたが、業種別では下落が2業種のみと、幅広く買いが入った。主力大型株の買いづらさが意識されれば新興銘柄の売買が盛り上がるなど、日本株の中で買えるものを探す動きが活発となっている。物色に関しては日替わりとなりそうな雰囲気があるが、中期のチャートではまだようやく下げ止まった程度といった銘柄も多く、日本株全体ではまだ強い基調が続くと思われる。半導体装置株が弱かったが、これらは3月に強く買われたものが多く、利食い売りをこなせば早々に反転する展開も期待できる。日経平均のきょうの安値は28120円までで、ギャップアップスタートから終日28000円より上で推移した。好循環が続いているうちに、次の節目の28500円台に到達できるかに注目したい。
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