株式明日の戦略-後場一段高で3日続伸、GWは個別物色が盛り上がる

 25日の日経平均は大幅に3日続伸。終値は666円高の35705円。米国株高を好感して、寄り付きから300円を超える上昇。半導体株や電線株などグロース系の銘柄が上昇を先導し、高く始まった後も上げ幅を広げた。序盤に600円超上昇した後、いったん値動きが落ち着いたが、後場はスタートから水準を切り上げて始まると、上げ幅を800円近くに拡大。35800円台に乗せたところで買いが一巡して13時以降は上げ幅を縮めたものの、600円を超える上昇で取引を終えた。

 東証プライムの売買代金は概算で4兆4000億円。業種別では非鉄金属、電気機器、その他製品などが上昇した一方、空運、食料品、不動産などが下落した。今期の増収増益・増配計画や自己株取得を発表した第一三共<4568.T>が後場急伸。半面、今期の減収減益・減配計画を発表したミスミグループ本社<9962.T>が後場に入って大きく値を崩した。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1067/値下がり510。アドバンテスト、ディスコ、レーザーテックなど半導体株が軒並み大幅高。フジクラや古河電工など電線株の動きも良かった。ニデックが12.5%高、富士通が4.8%高と、決算が好感された銘柄が買いを集めた。日産自動車は前期の最終赤字が従来計画から大きく拡大する見込みとなったが、業績悪化は織り込み済みで、悪材料出尽くしを期待した買いが入った。売れるネット広告社がリリースを材料にストップ高となった。

 一方、DeNAやサンリオが軟調。リスクオンの地合いの中、森永乳業やヤクルトなど食品株は物色の蚊帳の外に置かれた。ホギメディカルが決算を材料に大幅安。日野自動車や愛三工業など前日の後場に決算で売られた銘柄に、一段安となるものが散見された。岩井コスモHDは株主還元方針を変更し、DOE(純資産配当率)指標の導入などを決定したが、25.3期まで採用していた年間配当の下限設定がなくなったことが嫌気されて、発表を受けた株価は急落した。

 本日、札幌のアンビシャス市場に新規上場したエレベーターコミュニケーションズは、高い初値をつけた後、一時ストップ高まで駆け上がって急失速するなど、かなり荒い値動きとなった。終値は初値を小幅に上回った。

 日経平均は後場に入って上げ幅を広げた。3日続伸する中でも23日と24日は上値が重かっただけに、きょうの動きは力強い。前日のように内需株が売り込まれなかったことから、目先は外需の上昇が一服したりドル円が円高に振れた場合には、内需が資金の受け皿になると見込まれる。外需も内需も買えるといった状況になってくれば、追い風の際には多くの銘柄が買われる日が増えてくるだろう。向かい風の際も外需か内需のどちらかには資金が向かうと思われる。この先は、一気に上を試せるかどうかは材料次第だが、下値に関しては堅くなると予想する。


【来週の見通し】
 しっかりか。東京市場は火曜が休場で立ち合いは4日。翌週の月曜と火曜は休場となる。4月30日(水)~5月1日(木)の日程で日銀会合が開催され、金曜5月2日には米4月雇用統計の発表がある。そして、連日で注目度の高い企業の決算が出てくる。足元で米中関係改善期待が高まっていること、トランプ大統領がパウエルFRB議長の解任を否定したこと、これらを材料に日米株の動きが良くなっていること、決算を材料に個別物色の盛り上がりが期待できることなどから、基本的には強い基調が継続すると考える。世界情勢が不安定なタイミングで日銀が利上げを実施するハードルは高く、日銀会合は現状維持で日本株を下支えするイベントになるだろう。ただ、米雇用統計を確認する前に連休に入るスケジュールだけに、高くなれば利益確定やリスク回避の売りは出やすい局面。前半は堅調で、後半は上値が重くなると予想する。

(山下)
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