株式明日の戦略-25日線も27500円も下回る、週足の節目は支えとなるか

 6日の日経平均は大幅続落。終値は340円安の27472円。米国株はまちまちで終えたが、市場予想を下回る経済指標が相次いでS&P500やナスダックが下落したことが嫌気され、寄り付きから200円を超える下落となった。ディフェンシブ株以外は総売りといった地合いの中、前場では弱いながらも27500円を下回ると押し目を拾う動きも見られた。しかし、後場に入ると27500円より下で推移する時間が長く、安値圏でのもみ合いが続いた。終盤には下げ幅を400円近くに広げる場面もあり、27500円を下回って取引を終えた。

 東証プライムの売買代金は概算で2兆8100億円。業種別では電気・ガス、医薬品、食料品の3業種のみが上昇。機械、海運、電気機器などの下げが大きくなった。前期の大幅営業増益着地や、今期の増収増益見通しが好感されたサンエー<2659.T>が急伸。半面、為替が円高に振れたことが嫌気され、マツダ<7261.T>、三菱自動車<7211.T>、日産自動車<7201.T>など、自動車株が軒並み大幅安となった。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり303/値下がり1476。ソフトバンクGが逆行高。安値圏を脱したばかりで過熱感の乏しい任天堂がプラスで終えた。ディフェンシブ系の銘柄が選好されており、武田や第一三共など医薬品株、キッコーマンやカルビーなど食品株、東電HDや北海電など電力株に強い動きが見られた。決算を材料に壱番屋や西松屋チェーンが大幅上昇。技術協定書を締結するとのリリースがあった赤阪鉄工所がストップ高比例配分となり、相手先のジャパンエンジンもストップ高まで買われる場面があった。

 一方、レーザーテックが4.9%安、東京エレクトロンが4.5%安、信越化学が3.6%安と、半導体関連が厳しい下げとなった。キーエンス、ダイキン、SMCなど値がさ株が大幅安。景気減速懸念が高まったことから、コマツ、オークマ、牧野フライスなど機械株の多くが売りに押された。神戸鋼、日本製鉄など鉄鋼株や、川崎汽船など海運株も全般軟調。TOKYO BASEが月次を材料に急落した。現在のプライムからスタンダードへ市場区分を変更することを決めたダイセキ環境ソリューションが7%を超える下落。ダイセキも今期の最終減益計画が嫌気されて7%を超える下落となった。

 日経平均は寄り付きからテクニカルの節目の25日線を下回り、終値では心理的節目の27500円を下回った。急にこれほど弱くなる?というくらい、弱さが目立った1日。5日の米国市場の物色はディフェンシブ寄りではあったが、ダウ平均はプラスで終えている。米国の経済指標が市場予想を下回ることについては、インフレ鎮静化期待が高まるというプラスの要素もある。しかし、きょうの日本株はリスクオフ一色で、主力どころの銘柄が派手に下げた。きょうの終値は27472円。この下には13週線(27423円、6日時点、以下同じ)、26週線(27336円)、52週線(27301円)など週足の節目が多くあることから、この近辺でいったん売りは一巡すると考える。ただし、派手な下げがあすも続いて、これらのすべてを下回って週を終えてしまった場合には、直近まで売り手不在であったのが、買い手不在にガラッと変わる可能性があり注意したい。

(小針)
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