NY株見通し-今週は底堅い展開か 3月CPIなどの物価指標に注目

 今週のNY市場は底堅い展開か。先週は発表された経済指標が軒並み弱い結果となったことで景気悪化懸念が強まった。ダウ平均は資本財のキャタピラー、金融のアメリカン・エキスプレス、ITのセールスフォースなどが下落したものの、ヘルスケアのユナイテッドヘルス、ジョンソン・エンド・ジョンソン、メルク、アムジェン、生活必需品のウォルグリーン、プロクター・アンド・ギャンブル、エネルギーのシェブロンなどが上昇したことで週間で211.14ドル高(+0.63%)と3週続伸となった。一方、S&P500は資本財、一般消費財の下落が重しとなり0.10%安と小幅ながら4週ぶりに反落し、ハイテク株主体のナスダック総合も1.10%安と4週ぶりに反落した。グッドフライデーの祝日で株式市場が休場となった7日に発表された米3月雇用統計は、非農業部門雇用者数が23.6万人増と市場予想の23.9万人増とほぼ一致し、前月分は31.1万人増から32.6万人増に上方修正された。失業率は3.5%と前月分と市場予想の3.6%から改善した。平均賃金は前月比+0.3%と予想と一致し、前年比では+4.2%と予想の+4.3%を下回った。
 今週は底堅い展開か。3月雇用統計がおおむね強い結果となったことで、米景気に対する過度な懸念の緩和が相場の支えとなりそうだ。5月の米連邦公開市場委員会(FOMC)では0.25%の利上げ見通しが再び強まったが、今週は3月消費者物価指数(CPI)や、3月生産者物価指数(PPI)、4月ミシガン大期待1年先・5年先インフレ率速報値などの物価指標が注目される。このほかの経済指標は新規失業保険申請件数、3月小売売上高など。決算発表は第1四半期決算発表がスタート。JPモルガン・チェース、ウェルズ・ファーゴ、シティグループの大手金融機関やデルタ航空、ユナイテッドヘルス・グループが発表予定。

 今晩の経済指標は3月雇用傾向指数、2月卸売在庫など。主要な企業の決算発表はなし。(執筆:4月10日、14:00)
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