欧州マーケットダイジェスト・28日 株高・金利低下・円安・ポンド高

(28日終値:29日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=136.17円(28日15時時点比△1.20円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=150.01円(△1.47円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1023ドル(△0.0012ドル)
FTSE100種総合株価指数:7870.57(前営業日比△38.99)
ドイツ株式指数(DAX):15922.38(△121.93)
10年物英国債利回り:3.719%(▲0.075%)
10年物独国債利回り:2.313%(▲0.147%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)        <発表値>    <前回発表値>
1-3月期仏国内総生産(GDP)速報値
前期比                 0.2%     0.0%・改
1-3月期独国内総生産(GDP)速報値(季節調整済)
前期比                 0.0%     ▲0.5%・改
前年同期比              ▲0.1%      0.8%・改
1-3月期ユーロ圏域内総生産(GDP)速報値
前期比                0.1%     ▲0.1%・改
前年同期比              1.3%       1.8%
4月独消費者物価指数(CPI)速報値
前月比                0.4%       0.8%
前年比                7.2%       7.4%

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ドル円は底堅い。日銀が今日まで開いた金融政策決定会合で、現行の大規模な金融緩和策の維持を決めたほか、植田和男日銀総裁が会見で「政策の引き締めが遅れて2%を超えるインフレ率が持続するリスクより、拙速な引き締めで2%の物価安定目標を実現できなくなるリスクの方が大きい」と指摘し、粘り強く金融緩和を継続していく考えを示すと円全面安の展開となった。
 NY市場に入ると、3月米個人消費支出(PCE)デフレーターや1-3月期米雇用コスト指数の上振れで、円売り・ドル買いが加速。23時30分前に一時136.56円と3月10日以来の高値を更新した。市場では「米金融当局に追加利上げ路線を維持させる根強いインフレ圧力が浮き彫りになった」との声が聞かれた。

・ポンドは全面高。対ドルでは一時1.2584ドル、対ユーロでは0.8768ポンド、対円では171.13円まで上昇した。市場では「月末のロンドン16時(日本時間24時)のフィキシングに絡んだポンド買いのフローが断続的に観測された」との声が聞かれた。

・ユーロドルは持ち直した。1-3月期独国内総生産(GDP)や1-3月期ユーロ圏GDPが予想を下回ったことでユーロ売り・ドル買いが先行。米インフレ指標の上振れが伝わると一時1.0963ドルと日通し安値を更新した。
 ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢に。欧州の根強いインフレ懸念から、欧州中央銀行(ECB)による利上げ継続を見込んだユーロ買い・ドル売りが入ったほか、ロンドン・フィキシングに絡んだユーロ買い・ドル売りのフローが入ると一時1.1045ドルと日通し高値を更新した。米10年債利回りが低下したことも相場を下支えした。

・ユーロ円はしっかり。大規模な金融緩和策を継続する日銀と、利上げ継続中のECBとの金融政策の方向性の違いが鮮明となり、円売り・ユーロ買いが活発化した。節目の150円を突破し、24時前には一時150.43円と2008年10月以来およそ14年半ぶりの高値を更新した。

・ロンドン株式相場は5日ぶりに反発。3連休を控えたポジション調整目的の売りが先行するとしばらくはマイナス圏で推移したが、売り一巡後は徐々に買い戻しが優勢となり持ち直した。前日の米国株が大幅高となったことで投資家心理が上向き、英株にも買いが波及した。セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が買われたほか、BPやシェルなどエネルギー株が値を上げた。

・フランクフルト株式相場は続伸し、昨年1月以来の高値となった。前日の米株高を受けて高く始まったものの、月末や3連休前のポジション調整目的の売りが出ると下げに転じた。ただ、売り一巡後は押し目買いなどが優勢となり、再び上昇に転じた。個別ではコベストロ(8.45%高)やドイツ証券取引所(2.31%高)、ハノーバー再保険(2.03%高)などの上昇が目立った。

・欧州債券相場は上昇。1-3月期独GDP速報値や4月独消費者物価指数(CPI)速報値が予想を下回ったことが分かると、インフレ鈍化見通しや先行きの景気減速への警戒感から独国債が買われた。

(中村)
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