NY為替見通し=米国経済指標を見極めつつ、債務上限関連のヘッドラインに要警戒か

 本日のNY為替市場のドル円は、5月米製造業・サービス部門PMI速報値を見極めながら、債務上限関連のヘッドラインに警戒する展開が予想される。

 5月米製造業PMI速報値の予想は50.0で、4月の50.2からはやや低下、サービス部門PMI速報値の予想は52.6で、4月の53.6からはやや低下が見込まれている。

 ネガティブサプライズとなった場合は、現時点でのフェドウオッチが示唆する11月と12月の米連邦公開市場委員会(FOMC)での利下げ観測が前倒しされる可能性が高まることになる。すなわち、5月19日のパウエルFRB議長のハト派発言「慎重に情報を分析する余裕がある」が材料視される展開となる。

 ポジティブサプライズだった場合は、昨日のカシュカリ米ミネアポリス連銀総裁による6月FOMCでの利上げ示唆「今のところ6月にもう1回引き上げるか、いったん停止するかは五分五分と思う」やブラード米セントルイス連銀総裁による年内2回の利上げ(+0.50%)示唆が材料視される展開となる。

 また、バイデン米政権とマッカーシー下院議長(共和党)との債務上限引き上げを巡る協議が続いており、6月1日のXデイに向けて、関連ヘッドラインに要警戒となる。
 Xデイに迫りつつあるものの、1917年の債務上限設定以来、これまで102回の上限引き上げが行われてきており、デフォルト(債務不履行)という最悪の事態に陥ったことはないことで、103回目の今回も、6月15日の税収日まで先送り、9月末までの暫定延長、来年3月31日までの債務上限適用停止案などに決着することが予想される。


・想定レンジ上限
 ドル円の上値目処(めど)は、2022年11月30日の高値の139.89円。

・想定レンジ下限
 ドル円の下値目処(めど)は、5月22日の安値の137.50円。



(山下)
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