東京為替見通し=ドル円、明朝5時発表予定のトランプ相互関税警戒で上値が重い展開か

 1日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、低調な3月米ISM製造業景況指数や2月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数を受けて、米10年債利回りが一時4.1309%前後まで低下したことで148.98円まで下落後、149.74円付近まで下値を切り上げた。ユーロドルは1.0778ドルまで下落後、1.0812ドル付近まで戻した。

 本日の東京外国為替市場のドル円は、トランプ米大統領が米国東部時間午後4時(日本時間明朝5時)に発表予定の相互関税への警戒感から上値が重い展開が予想される。

 トランプ米大統領は、4月2日を「解放の日(Liberation day)」として、米国企業や国民を不公正貿易国による搾取から解放する、と表明している。相互関税が「標的型」「例外なく全ての国を対象」「無差別普遍関税の復活」ならば悲観的だが、「寛大な内容」「除外の可能性」が示唆されていることは楽観的とも言えるため、発表までは予断を許さない状況が続くことになる。

 トランプ米政権の相互関税に関して、先日の日銀金融政策決定会合と米連邦公開市場委員会(FOMC)は「不確実性(uncertainty)」として、それぞれ、追加利上げと追加利下げを見送る理由としていた。相互関税の発表を受けて「不確実性」が強まるのか、あるいは弱まるのかは不明だが、ドル円に関しては、過去最大規模の円の買い持ちポジションを抱えたIMMシカゴ筋の動向を見極めていくことになるのかもしれない。

 FOMCのドット・プロット(金利予測分布図)、消費者信頼感指数、ミシガン大学消費者信頼感指数などは、関税スタグフレーションへの警戒感を示しており、不確実性が強まった場合は、スタグフレーション(景気停滞下の物価上昇)の確率が高まることになる。

 また、関税の報復合戦となった場合、米国の貿易赤字の削減が想定通りに見込めないことになる。そこで、トランプ米大統領が目論む貿易赤字削減の手段として、関税賦課は第1弾に過ぎず、第2弾として「プラザ合意」のようなドル切り下げ政策の可能性が囁かれている。

 トランプ米政権は、トランプ関税発動の後、金融緩和と財政緩和によるドル安誘導策「マールアラーゴ合意」を目論んでいると噂されている。「マールアラーゴ合意」の司令塔らしいミラン米大統領経済諮問委員会CEA委員長やベッセント米財務長官は、共にヘッジファンド業界の出身者である。IMMシカゴ筋が過去最大規模の円買い持ちポジションを構築した背景として、ヘッジファンド出身の二人によるドル安政策の可能性が囁かれている。


(山下)
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