ロンドン為替見通し=LDN午後のメインイベント待ち、新興国通貨の動向には注意

 本日のロンドン為替市場ではリスクセンチメントの強弱を見定めながら、本日のメインイベントである米PCEデフレーターの発表を待つことになりそうだ。また、来週月曜日は英国がスプリング・バンク・ホリデーのため、ロングウィークエンドを控えたロンドン勢の持ち高調整で神経質な動きとなる場面もあるか。

 ポンドについては、ロンドン早朝に発表される4月英小売売上高を受けた反応がまずは注目。前月比ではプラス回復が予想され、前年比ではマイナス幅が縮小見込み。もっとも足もとの物価上昇率が高止まりするなか、低迷している消費がそう簡単には持ち直さないとの見方は根強い。予想より悪化していた場合は、もともと対ドルで地合いが弱いだけに下落スピードが加速するかもしれない。

 金融当局者の講演は、欧州前半にブイチッチ・クロアチア中銀総裁とレーン欧州中央銀行(ECB)専務理事が予定されている。特に、レーン理事はチーフ・エコノミストも兼ねているため、その発言内容には耳を傾ける必要はありそうだ。ただ相場が米金利先高観の強まりをより注視しているため、欧州からのタカ派発言に反応しづらくなっているのは確か。

 他、新興国通貨の動きにも注目したい。昨日は南ア準備銀行(SARB)の大幅利上げにもかかわらず、ランド(ZAR)は軟調だった。SARBの通貨安見通しを嫌気した形だが、元々ファンダメンタルズが弱かったこともあり、地合いの弱さは継続するか。

 トルコリラは対円では狭いレンジながらも、対ドルでは下落幅を拡大し続けている。昨日はトルコ中銀の外貨準備高がネット値(保有総額から外貨建て債務を差し引いた額)でマイナスに転じたことが話題となった。準備高のマイナス圏は公正発展党(AKP)が政権党となった2002年以来では初めてということだ。高インフレにもかかわらずの低金利政策はさすがに限界が見えてきたのかもしれない。なお、トルコでは28日に大統領選の決選投票が行われ、現職のエルドアン大統領が優勢とされている。

想定レンジ上限
・ポンドドルは日足一目均衡表・転換線1.2428ドル、ユーロドルも転換線1.0806ドル。
・ランド円は24・25日高値7.25円、リラ円は19日高値7.05円。

想定レンジ下限
・ポンドドルは3月24日安値1.2191ドル、ユーロドルが3月20日安値1.0631ドル。
・ランド円は12日安値6.91円、リラ円は16日安値6.88円。

(小針)
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