ロンドン為替見通し=ポンド インフレリスクが買いづらさに繋がるか

 本日のロンドン為替市場で欧州通貨は、対ドルでは欧米金融政策に対する思惑で神経質に上下する展開が続きそうだ。

 昨日はポンドが1.24ドル後半まで買い先行後に1.23ドル半ばまで失速。序盤に発表された4月英消費者物価指数(CPI)が予想比で上振れたことでイングランド銀行(英中銀、BOE)の追加利上げに対する観測が高まり、市場は素直にポンド買いで反応した。ただし一巡後は、インフレの根強さによる英景気後退への懸念が広まったようだ。

 英中銀が次回の金融政策委員会(MPC)を開催するのは約4週間後。MPC委員が投票する直前に5月インフレ指標が発表されるものの、基本は4月分をベースとした話し合いが行われると思われる。4月から年後半にかけて物価上昇率の低下を見込んでいたベイリーBOE総裁も、夏頃のしつこいインフレリスクへの懸念を表明。英国経済が望まない水準まで金利を引き上げへの思惑が高まると、ポンドの対ドルでの買いづらさが続いてしまうかもしれない。

 ユーロドルも昨日強含む場面があったものの、日足一目均衡表・雲の中に入り込んだところで買いの勢いは鈍った。本日も1.0790ドル台に位置する同・雲の下限や1.0820ドル台まで低下してきた転換線が抵抗水準として意識されそうだ。

 イベントとしては欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーの発言内容。デギンドスECB副総裁から始まり、ナーゲル独連銀総裁やビルロワドガロー仏中銀総裁も講演が予定されている。独仏中銀総裁は引き締め継続に前向きなスタンスが予想されるなか、ECB副総裁の考えが注目される。

想定レンジ上限
・ポンドドルは昨日高値1.2470ドル、ユーロドルが転換線1.0823ドル。

想定レンジ下限
・ポンドドルは90日移動平均線1.2293ドル、ユーロドルが3月24日安値1.0713ドル。

(小針)
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