ロンドン為替見通し=ユーロやポンド、金融政策の先行きへの思惑で上下か

 ロンドン為替市場では、ユーロ圏や英国の金融政策の先行きに対する思惑で上下することになるか。今週2月3日には、欧州中央銀行(ECB)定例理事会と英中銀金融政策委員会(MPC)がそれぞれ0.5%の追加利上げに踏み切るというのが大方の予想だ。

 ECBについては、ラガルド総裁が先月に示唆した「複数回の0.5%利上げ」を後押しする発言が理事会メンバーから目立つ。本日の欧州午後に講演が予定されている仏中銀総裁もそのうちの一人。フランスは、インフレがユーロ圏の中では落ち着いているほうであるにもかかわらずだ。しかしながら短期金融市場では、例え3月以降も2月と同程度の引き締めがあったとしても、秋口から利下げに転じる可能性が織り込まれ始めた。

 英国でも、足もとのインフレ率が10%を超えているにもかかわらず、年末までに利下げ期待が高まりつつあるのは同じだ。イングランド銀行(英中銀、BOE)のベイリー総裁による「今春終わりごろからインフレ鈍化が顕著になる」との見通しや、同国経済が景気後退(リセッション)入りする可能性が高まっていることが影響している。

 いずれにせよ3日を待たねばならないが、市場が先走る可能性もあるため、欧州金利の動向には目を向けておく必要はあるだろう。

 なお本日は10-12月期独国内総生産(GDP)速報値が発表される。季節調整済の前期比は前回+0.4%から横ばいまで低下予想であり、もしマイナスに落ち込むようならユーロの印象は悪くなりそうだ。

想定レンジ上限
・ユーロドルは26日高値1.0929ドル、ポンドドルが23日高値1.2448ドル。

想定レンジ下限
・ユーロドルは20日安値1.0802ドル、ポンドドルが24日安値1.2264ドル。


(小針)
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