欧州マーケットダイジェスト・15日 株最高値・金利低下・ドル安

(15日終値:16日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=154.74円(15日15時時点比▲1.50円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=168.36円(▲0.80円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0880ドル(△0.0053ドル)
FTSE100種総合株価指数:8445.80(前営業日比△17.67)
ドイツ株式指数(DAX):18869.36(△152.94)
10年物英国債利回り:4.066%(▲0.107%)
10年物独国債利回り:2.422%(▲0.126%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)        <発表値>    <前回発表値>
4月仏消費者物価指数(CPI)改定値
前月比                0.5%       0.5%
前年比                2.2%       2.2%
1-3月期ユーロ圏域内総生産(GDP)改定値
前期比                0.3%       0.3%
前年同期比              0.4%       0.4%
3月ユーロ圏鉱工業生産
前月比                0.6%      1.0%・改
前年比                ▲1.0%     ▲6.3%・改

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ユーロドルは底堅い動き。米重要指標の発表を控えて、しばらくは1.08ドル台前半でのもみ合いが続いた。4月米消費者物価指数(CPI)は前月比で0.3%上昇と予想の0.4%上昇を下回ったほか、前年同月比では3.4%上昇と市場予想と一致し、3月から鈍化した。また、4月米小売売上高は前月比横ばいと予想の0.4%増より弱い内容となり、3月分が下方修正された。米連邦準備理事会(FRB)による利下げ開始が先送りになるとの観測が後退すると、米長期金利の低下とともにドル売りが優勢となった。3時過ぎには一時1.0881ドルと4月9日以来の高値を付けた。
 主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時104.31と4月10日以来の低水準を付けた。

・ドル円はさえない展開だった。米CPIの鈍化や米小売売上高の下振れを受けて、インフレ圧力や消費の落ち着きが意識されると、米利下げ期待が再燃。米長期金利の低下とともにドル売りが優勢となった。21時30分過ぎに154.76円まで下げたあとは155.80円付近まで1円超下げ渋ったものの、買い戻しが一巡すると再び弱含んだ。23時発表の5月米NAHB住宅市場指数が予想を下回ったことも相場の重しとなり、2時30分過ぎに154.70円と日通し安値を更新した。
 なお、米長期金利の指標となる米10年債利回りは一時4.3361%前後と4月10日以来の低水準を記録した。

・ユーロ円は頭が重かった。ドル円の下落につれた円買い・ユーロ売りが優勢となり、21時30分過ぎに一時168.16円と本日安値を付けた。23時30分前に168.84円付近まで下げ渋る場面もあったが、戻りは鈍かった。

・ロンドン株式相場は小幅ながら続伸し、史上最高値を更新した。前日の米株式市場で主要3指数がそろって上昇したことが投資家心理の支えとなり、買いが先行した。ただ、買い一巡後は徐々に値動きが細り、もみ合いに転じた。セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が買われたほか、BAEシステムズやロールス・ロイス・ホールディングスなど資本財サービス株が値上がりした。

・フランクフルト株式相場は3日ぶりに反発し、史上最高値を更新した。前日の米国株相場の上昇を受けて買いが先行。4月米CPIがおおむね予想の範囲内にとどまり、米国株が続伸したことも投資家心理の支えとなった。個別ではボノビア(6.74%高)やシーメンス・エナジー(6.50%高)、コメルツ銀行(5.13%高)などの上昇が目立った。

・欧州債券相場は上昇。この日発表の米経済指標が米利下げ期待を誘う内容となり、米国債相場が大幅に上昇。独国債にも買いが波及した。


(中村)
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