NYマーケットダイジェスト・15日 株最高値・金利低下・ドル安

(15日終値)
ドル・円相場:1ドル=154.88円(前営業日比▲1.54円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=168.58円(▲0.67円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0884ドル(△0.0065ドル)
ダウ工業株30種平均:39908.00ドル(△349.89ドル)
ナスダック総合株価指数:16742.39(△231.21)
10年物米国債利回り:4.34%(▲0.10%)
WTI原油先物6月限:1バレル=78.63ドル(△0.61ドル)
金先物6月限:1トロイオンス=2394.9ドル(△35.0ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)         <発表値>   <前回発表値>
4月米消費者物価指数(CPI)
前月比                0.3%       0.4%
前年比                3.4%       3.5%
エネルギーと食品を除くコア指数
前月比                0.3%       0.4%
前年比                3.6%       3.8%
5月米ニューヨーク連銀製造業景気指数 ▲15.6      ▲14.3
4月米小売売上高
前月比                0.0%      0.6%・改
自動車を除く前月比          0.2%      0.9%・改
5月NAHB住宅市場指数          45        51

(各市場の動き)
・ユーロドルは3日続伸。4月米消費者物価指数(CPI)は前月比で0.3%上昇と予想の0.4%上昇を下回ったほか、前年同月比では3.4%上昇と市場予想と一致し3月から鈍化。エネルギーと食品を除くコア指数も前月比0.3%/前年比3.6%と市場予想通り鈍化した。また、4月米小売売上高は前月比横ばいと予想の0.4%増より弱い内容となり、3月分が下方修正された。米連邦準備理事会(FRB)による利下げ開始が先送りになるとの観測が後退すると、米長期金利が低下し全般ドル売りが優勢となった。5時30分前に一時1.0886ドルと3月21日以来の高値を付けた。
 主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時104.29と4月10日以来の低水準を付けた。

・ドル円は4日ぶりに反落。米CPIの鈍化や米小売売上高の下振れを受けて、インフレ圧力や消費の落ち着きが意識されると、米利下げ観測が高まった。米長期金利の低下とともにドル売りが進むと、2時30分過ぎに154.70円と日通し安値を更新した。5月米NAHB住宅市場指数が予想を下回ったことも相場の重し。米長期金利の指標となる米10年債利回りは一時4.3361%前後と4月10日以来の低水準を記録した。
 なお、カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁は「FRBは現在の金利水準をもう少し長く維持する必要がある」との見解を改めて表明したものの、相場の反応は限られた。

・ユーロ円は8日ぶりに反落。ドル円の下落につれた円買い・ユーロ売りが優勢となり、21時30分過ぎに一時168.16円と本日安値を付けた。ただ、そのあとはユーロドルの上昇につれた買いも入ったため、下げ渋った。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は続伸し、史上最高値を更新した。多くの機関投資家が運用指標とするS&P500種株価指数も過去最高値を更新した。4月米CPIの鈍化や4月米小売売上高の下振れを受けて、FRBによる利下げ開始が先送りになるとの懸念が後退すると買いが優勢となった。米長期金利が低下し、株式の相対的な割高感が薄れたことも相場の支援材料。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は3日続伸し、史上最高値で取引を終えた。

・米国債券相場で長期ゾーンは3日続伸。4月米CPIの鈍化や4月米小売売上高の下振れを受けて、米利下げ観測が高まると債券買いが広がった。利回りは一時4.3361%前後と4月10日以来の低水準を付けた。

・原油先物相場は反発。国際エネルギー機関(IEA)が需要見通しを下方修正したことを背景に売りが先行した。ただ、4月米CPIを受けたドル安でドル建ての原油に割安感が生じたことや、米エネルギー情報局(EIA)の在庫統計で原油とガソリンが予想以上の取り崩しとなったことも支えに反発して取引を終えた。

・金先物相場は続伸。4月米CPIの伸びが鈍化したことを受けて米利下げ期待が強まり、米長期金利が大幅低下し、金利が生じない金は買いが優勢となった。さえない米経済指標の結果を受けてドル安が進み、ドル建ての金に割安感が生じたことも金の買いを後押した。

(中村)
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