欧州マーケットダイジェスト・24日 株大幅安・金利上昇・ドル高

(24日終値:25日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=139.26円(24日15時時点比△0.97円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=149.77円(△0.65円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0755ドル(▲0.0028ドル)
FTSE100種総合株価指数:7627.10(前営業日比▲135.85)
ドイツ株式指数(DAX):15842.13(▲310.73)
10年物英国債利回り:4.214%(△0.056%)
10年物独国債利回り:2.472%(△0.003%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)        <発表値>    <前回発表値>
4月英消費者物価指数(CPI)
前月比                1.2%       0.8%
前年比                8.7%       10.1%
5月独Ifo企業景況感指数        91.7      93.4・改

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ドル円は底堅い動き。しばらくは138円台半ばでのもみ合いが続いていたが、NYの取引時間帯に入ると強含んだ。米債務上限問題を巡る与野党協議が進展せず、欧米株価が軟調に推移するとリスク・オフのドル買いが先行。ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事が「FRBが6月に利上げをするか見送るかはデータ次第」「今後のデータは6月の利上げを裏付ける可能性」「6月もしくは7月の利上げを支持する可能性」などと述べると米長期金利の上昇とともにドル買いが加速した。1時30分前に一時139.39円と昨年11月30日以来約半年ぶりの高値を更新した。
 なお、米共和党交渉担当者の1人であるグレイブス下院議員はバイデン政権との債務上限問題を巡る交渉について「進展はない」などと発言。欧州を代表する株価指数のひとつユーロ・ストックス50指数は一時2%超急落し、ダウ平均は300ドル超下げた。

・ポンドドルは頭が重かった。4月英消費者物価指数(CPI)が前月比1.2%/前年比8.7%と予想の前月比0.7%/前年比8.2%を上回ったことを受けて買いが先行すると一時1.2470ドルと日通し高値を更新したものの、すぐに失速した。高インフレと金融引き締めによる英景気の後退懸念が意識されて全般ポンド売りが優勢となった。欧米株安に伴うリスク・オフのドル買いも入り、一時1.2358ドルと日通し安値を更新した。

・ユーロドルは乱高下。欧州株相場の下落を受けてユーロ売り・ドル買いが先行すると一時1.0748ドルと3月27日以来約2カ月ぶりの安値を付けたものの、米10年債利回りが3.66%台まで低下すると一転ユーロ買い・ドル売りが優勢に。21時30分前に一時1.0801ドルと日通し高値を付けた。
 ただ、前日の高値1.0821ドルが目先レジスタンスとして働くと再び下落した。米株価の下落でリスク・オフのドル買いが入ったほか、FRBが6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)でも利上げを続ける可能性が意識されてドル買いが進んだ。1時過ぎには1.0750ドル付近まで下押しした。

・ユーロ円は持ち直した。欧州株相場の下落に伴うリスク回避の円買い・ユーロ売りが先行すると一時148.84円と日通し安値を付けたものの、ドル円の上昇をきっかけに円売り・ユーロ買いが強まると149.93円と日通し高値を更新した。

・ロンドン株式相場は大幅に続落。4月英CPIの上振れで、高インフレと金融引き締めによる英景気の後退懸念が意識されると、株売りが広がった。米債務上限問題を巡る先行き不透明感や米中対立激化懸念も相場の重し。HSBCやバークレイズなど金融株が下落したほか、セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が売られた。アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株も軟調だった。

・フランクフルト株式相場は大幅に3日続落。米債務上限問題を巡る先行き不透明感や米中対立激化懸念、新型コロナ感染再拡大に伴う中国景気の減速懸念などが相場の重荷となった。個別ではインフィニオン・テクノロジーズ(5.41%安)やポルシェ(3.86%安)、ダイムラー・トラック・ホールディング(3.64%安)などの下げが目立ち、全40銘柄が下落した。

・欧州債券相場は下落。英CPIの上振れを受けて、英中銀(BOE)の利上げ継続観測が強まると英長期債に売りが出た。英10年債利回りは一時4.368%前後と昨年10月以来7カ月ぶりの高水準を付けた。

(中村)
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