14日香港株=続伸して始まるか、中国利下げ観測が支え

 14日の香港市場は続伸して始まるか。中国人民銀行(中央銀行)が13日、短期流動性の調節手段であるリバースレポと常備貸出制度(SLF)の金利を引き下げた。市場では、事実上の政策金利とされる最優遇貸出金利(LPR、ローンプライムレート)を引き下げる布石との受け止め方が広がっている。利下げに加え、中国当局が不動産支援策などを含む包括的な景気刺激策を検討していると伝わったことも、投資家心理を支えると予想する。

 一方、注目された米5月消費者物価指数(CPI)は伸び率が前年同月比4.0%と4月(4.9%)から鈍化した。14日に結果が公表される米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げがスキップされるとの見方が改めて強まるだろう。

 ただ、買い一巡後は上値が重い展開があり得る。13日大引け後に人民銀が発表した5月の金融統計は市場予想より弱い内容で、中国景気に対する不安がくすぶり続けそうだ。中国国家統計局が15日に発表する5月主要統計を見極めたい投資家が積極的な売買を手控える可能性がある。ハンセン指数の13日終値は5月22日以来の高値とあって、利益をいったん確定する売りが出やすい。

 13日のNY株式相場はダウ平均が6営業日続伸。S&P500とナスダック総合も4営業日続伸した。同日の香港株の米国預託証券(ADR)は高安まちまち。英金融大手のHSBC(00005)や中国ネット通販大手のJDドットコム(09618)香港終値を上回った半面、保険株の中国平安保険(02318)、香港公益株のホンコン・チャイナガス(00003)が下回って引けた。
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