NY為替見通し=FOMC声明「タカ派的スキップ」とドット・プロットに要注目か

 本日のNY為替市場のドル円は、明朝3時に発表される米連邦公開市場委員会(FOMC)声明を見極める展開となる。

 米5月消費者物価指数(CPI)が前年比+4.0%まで伸び率が鈍化していたことで、FOMCでは利上げ見送りが確実視されている。しかし、コア指数が前年比+5.3%に留まったことで、7月FOMCでの利上げ再開観測が高まっている。

 FOMC声明では、利上げ見送りをメインシナリオに、「タカ派的スキップ(skip見送り)」なのか、引き締めバイアスを留保した「pause(休止)」なのか、それとも「完全停止」なのかを見極めることになる。
 7月FOMCでの利上げの選択肢を残したいのであれば、声明文で「この会合では金利を据え置く」という表現が予想される。

 昨日は、ウォールストリート・ジャーナル紙のFEDウォッチャー、ニック・ティミラオス記者が「米5月CPIの結果を受け、6月FOMCは金利据え置きの公算。しかし、FF金利予想・中央値は前回の5.1%(5.0-5.25%)から引き上げ、あと1回の利上げを示唆する可能性」と配信しており、「タカ派的スキップ」の可能性を示唆していた。

 また、ドット・プロット(金利予測分布図)でのターミナルレート(利上げの最終到達点)は、3月FOMCでは5.125%(※FF金利誘導目標5.00-25%)だったが、6月はタカ派に配慮して、5.375%(※FF金利誘導目標5.25-50%)に引き上げられることが、リスクシナリオとなる。
 さらに、これまでのFOMCでの政策決定はほぼ全員一致が続いてきており、今回はタカ派による利上げ休止への反対票にも警戒しておきたい。反対する可能性があるのは、カシュカリ米ミネアポリス連銀総裁、ローガン米ダラス連銀総裁、ウォラーFRB理事などが予想される。

 ドル円は、FOMCで予想通りに利上げ休止が決定されても、15-16日の日銀金融政策決定会合で大規模な金融緩和策の維持が見込まれていることで、下値は限定的だと思われる。


・想定レンジ上限
 ドル円の上値目処(めど)は、5月30日の高値の140.93円。

・想定レンジ下限
 ドル円の下値目処(めど)は、日足一目均衡表・転換線の139.53円。




(山下)
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