株式明日の戦略-10週続伸で週間では4桁の上昇、来週は材料難も堅調か
16日の日経平均は大幅反発。終値は220円高の33706円。米国株の大幅高を受けても下落スタート。昨晩、岸田首相が今国会での衆議院解散を考えていないと発言したことで、早期の選挙期待が後退したことが売り材料となった。初動の弱さを受けて下方向に勢いがつき、開始早々には下げ幅を300円近くに拡大。33100円台で売りが一巡したものの、前場では大型株の多くが売りに押され、指数も低空飛行が続いた。
しかし、昼休みに日銀が金融緩和の維持を発表すると先物に買いが入り、後場は前引けから大きく水準を切り上げて始まった。すぐにプラス圏に浮上すると、しばらくは小高い水準でもみ合ったが、14時辺りからは上げ幅を拡大。200円超上昇して33700円台に乗せ、高値圏で取引を終えた。マザーズ指数が米国の長期金利低下を受けて前場のうちから非常に強い動きを見せており、大引けでは4.5%高。日経平均、TOPIX、マザーズ指数が年初来高値を更新した。
東証プライムの売買代金は概算で5兆5600億円と高水準。業種別では空運、鉱業、医薬品などが上昇している一方、海運、陸運、ゴム製品などが下落している。経産省が国内での生成AI開発の基盤づくりに乗り出すとの日経記事で取り上げられたさくらインターネット<3778.T>が、買いを集めてストップ高比例配分。半面、下方修正を発表したテクノフレックス<3449.T>が急落した。
東証1部の騰落銘柄数は値上がり1118/値下がり668。ソフトバンクGが米長期金利の低下を好感して大幅高。新興グロース株に資金が向かう中、カバーが買いを集めて急伸した。自己株取得を好感したキヤノンが5%近い上昇。証券会社の新規カバレッジを受けて、空運大手のJALとANAがそろって年初来高値を更新した。生成AIのニュースでさくらネットに買いが殺到したことを受けて、フィックスターズやHPCシステムズなども関連銘柄として人気化。GNIが子会社の戦略的提携に関するリリースを受けてストップ高比例配分となった。
一方、早期の衆議院解散期待が後退したことから、選挙関連と見られているイムラやムサシが急落。日銀の緩和維持を受けて、三菱UFJや三井住友などメガバンクが後場に入って売りに押された。足元高値圏で推移していたソシオネクストが4%を超える下落。為替は円安に振れたが、トヨタ、ホンダ、マツダなど自動車株は下落銘柄が多かった。下方修正を発表した日本工営が大幅安。前日同様、同業のカバーが強く買われた一方で、ANYCOLORが強く売られた。
日経平均は下落スタートから切り返して大幅上昇。きょうはいろいろ気を揉む1日であったが、振れ幅が大きくなった分、今の日本株は売りづらいということが強く印象づけられた。前場で見られたように、大型半導体株などが下げれば、指数もそれなりに下に値幅は出る。ただ、それが利益確定売りにすぎないと多くの市場参加者が認識しているから、きっかけ一つで買い戻しが入る。結果的に、特にサプライズのなかった日銀会合が日本株の動きを良くした格好となっており、高値圏で週を終えた。もし、15日の米国株が大幅高でなかった場合には、日銀が緩和維持であったとしても、ここまでガラッと雰囲気が変わらなかった可能性があり、運も持っている。そして、良い選択か悪い選択であったかは今の時点では判断できないが、株高をもたらしやすい衆議院の解散カードは温存できた。日本株にはまだまだ上昇の余地がある。
【来週の見通し】
堅調か。日米の中央銀行イベントを今週消化して、来週は材料難となる。米国は月曜19日が休場。22日にパウエルFRB議長が上院で議会証言を予定しているが、6月のFOMCで最新のメッセージを受け取ったばかりでもあり、米国株のトレンドに大きな影響を与えるイベントにはなりづらい。米国ではS&P500やナスダックと比べて出遅れ感があったダウ平均が年初来高値を更新してきた。また、国内では5社のIPOが予定されており、大型株に上昇一服感が出てきたとしても新興銘柄の活況が期待できる。材料難であることは、売りを出す理由もないとポジティブに捉えられるだろう。押し目待ちの投資家や何かを買いたい投資家は多いと推測される中、上向きの基調が続くと予想する。
しかし、昼休みに日銀が金融緩和の維持を発表すると先物に買いが入り、後場は前引けから大きく水準を切り上げて始まった。すぐにプラス圏に浮上すると、しばらくは小高い水準でもみ合ったが、14時辺りからは上げ幅を拡大。200円超上昇して33700円台に乗せ、高値圏で取引を終えた。マザーズ指数が米国の長期金利低下を受けて前場のうちから非常に強い動きを見せており、大引けでは4.5%高。日経平均、TOPIX、マザーズ指数が年初来高値を更新した。
東証プライムの売買代金は概算で5兆5600億円と高水準。業種別では空運、鉱業、医薬品などが上昇している一方、海運、陸運、ゴム製品などが下落している。経産省が国内での生成AI開発の基盤づくりに乗り出すとの日経記事で取り上げられたさくらインターネット<3778.T>が、買いを集めてストップ高比例配分。半面、下方修正を発表したテクノフレックス<3449.T>が急落した。
東証1部の騰落銘柄数は値上がり1118/値下がり668。ソフトバンクGが米長期金利の低下を好感して大幅高。新興グロース株に資金が向かう中、カバーが買いを集めて急伸した。自己株取得を好感したキヤノンが5%近い上昇。証券会社の新規カバレッジを受けて、空運大手のJALとANAがそろって年初来高値を更新した。生成AIのニュースでさくらネットに買いが殺到したことを受けて、フィックスターズやHPCシステムズなども関連銘柄として人気化。GNIが子会社の戦略的提携に関するリリースを受けてストップ高比例配分となった。
一方、早期の衆議院解散期待が後退したことから、選挙関連と見られているイムラやムサシが急落。日銀の緩和維持を受けて、三菱UFJや三井住友などメガバンクが後場に入って売りに押された。足元高値圏で推移していたソシオネクストが4%を超える下落。為替は円安に振れたが、トヨタ、ホンダ、マツダなど自動車株は下落銘柄が多かった。下方修正を発表した日本工営が大幅安。前日同様、同業のカバーが強く買われた一方で、ANYCOLORが強く売られた。
日経平均は下落スタートから切り返して大幅上昇。きょうはいろいろ気を揉む1日であったが、振れ幅が大きくなった分、今の日本株は売りづらいということが強く印象づけられた。前場で見られたように、大型半導体株などが下げれば、指数もそれなりに下に値幅は出る。ただ、それが利益確定売りにすぎないと多くの市場参加者が認識しているから、きっかけ一つで買い戻しが入る。結果的に、特にサプライズのなかった日銀会合が日本株の動きを良くした格好となっており、高値圏で週を終えた。もし、15日の米国株が大幅高でなかった場合には、日銀が緩和維持であったとしても、ここまでガラッと雰囲気が変わらなかった可能性があり、運も持っている。そして、良い選択か悪い選択であったかは今の時点では判断できないが、株高をもたらしやすい衆議院の解散カードは温存できた。日本株にはまだまだ上昇の余地がある。
【来週の見通し】
堅調か。日米の中央銀行イベントを今週消化して、来週は材料難となる。米国は月曜19日が休場。22日にパウエルFRB議長が上院で議会証言を予定しているが、6月のFOMCで最新のメッセージを受け取ったばかりでもあり、米国株のトレンドに大きな影響を与えるイベントにはなりづらい。米国ではS&P500やナスダックと比べて出遅れ感があったダウ平均が年初来高値を更新してきた。また、国内では5社のIPOが予定されており、大型株に上昇一服感が出てきたとしても新興銘柄の活況が期待できる。材料難であることは、売りを出す理由もないとポジティブに捉えられるだろう。押し目待ちの投資家や何かを買いたい投資家は多いと推測される中、上向きの基調が続くと予想する。