NY為替見通し=米雇用指標や、賃金インフレとの関係で注目される非製造業景況に注目

 NYタイムはまず、直近の最注目イベントといえる今週末の6月米雇用統計を控えていることもあり、同じく米雇用関連の指標である6月ADP全米雇用報告の結果を見定めたい。雇用統計とADPの数字は単月で強弱の方向性が異なることも多いが、マーケット参加者は結果を反映した米金利の上下に振らされがち。仮にポジションが膨らみ気味である場合に、自分が見込んでいる方向性にとって不利になる結果となった際にポジションを調整する程度の材料として受けとめておくぐらいが無難だろう。

 同じく雇用関連指標の米失業保険に関する数字もその後に発表予定。こちらも明日の雇用統計へ向けた強弱のムードを醸成する材料となるためケアしておきたい。ここ最近注目度が高まっている雇用動態調査(JOLTS)求人件数の5月分も米株寄り付き後に発表される。4月に回復した節目の1000万件を下回る993.5万件程度のやや落ち着いた結果が見込まれている。

 注視したいのがJOLTSと同時刻23時発表の6月サプライマネジメント協会(ISM)非製造業景況指数。賃金インフレの動向への影響が大きいとされるサービス業の動向が米金利の上下を通して米株やドル相場を揺さぶりそうだ。3日発表のISM製造業景況指数が弱い結果だったことに続き、本日の非製造業の数字も弱めとなればまずは米金利低下で反応しそう。昨日、中国や欧州のサービス業PMIが軒並みさえない内容だった印象も引きずることになりそうだ。

 同様に22時45分発表の6月米サービス部門PMI改定値は、ISMの数字発表を控えるなかで大きな動意につながりにくいかもしれないが、弱かった中国・欧州のサービス業PMIの流れを引き継ぐかどうかといった意味で内容をよく見定めておきたい。


・想定レンジ上限
 ドル円の上値めどは、3日高値144.91円。

・想定レンジ下限
 ドル円の下値めどは、6月26日安値142.94円。

(関口)
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