ロンドン為替見通し=結局は米雇用統計待ちだが、昨日売られた株や債券動向は注視

 本日のロンドン為替市場は、結局はニューヨーク勢が参入後に発表される6月米雇用統計の結果次第なのだろう。ただしそれまでは、昨日軒並み急落した欧州主要株式市場や大幅上昇となった欧州金利には暫く目を向けておく必要がありそうだ。

 昨日のドイツ株式指数(DAX)は2.5%超安で引け、約3カ月ぶりの安値圏まで落ち込んだ一方、独ドイツ連邦債10年物利回りは15ベーシスポイント(bp)近く上昇。他のユーロ圏諸国も株安、債券安のダブルパンチが起きていた。金利上昇圧力の高まりが各国経済の許容範囲を超えつつあるということか。
 
 ただ株や債券に比べると為替市場でユーロの値動きは限られている印象。もっとも金利上昇が通貨買いに繋がりづらくなりつつあり、一方で欧州株安はユーロ売りを連想しやすい。そうなると1.09ドル台を回復したとしても上値の伸びは限られそうだ。まずは1.0906ドルに位置する日足一目均衡表・転換線を巡る攻防を確認したい。

 なお本日はデギンドス欧州中央銀行(ECB)副総裁、ストゥルナラス・ギリシャ中銀総裁の講演が欧州前半に予定されている。またナーゲル独連銀総裁がパネルディスカッションに参加する。今月下旬の理事会についての発言はもうインパクトなしだろうが、秋以降について何かしらのヒントがでるかもしれず、念のため注意しておきたい。

想定レンジ上限
・ユーロドルは6月27日高値1.0977ドルドル。目先は前述した転換線1.0906ドルを意識。

想定レンジ下限
・ユーロドルは一目・雲の下限1.0796ドル。近いところでは90日移動平均線が1.0852ドルまで上昇してきた。



(小針)
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