東京為替見通し=7月RBA理事会議事要旨を見極めつつ、日銀関係者の発言に要警戒か

 17日のニューヨーク外国為替市場でドル円は、7月米ニューヨーク連銀製造業景気指数が予想を上回る+1.1と発表され、イエレン米財務長官が「米国のリセッションは想定していない。米景気は減速したが、労働市場は非常に力強い」などと述べたことで139.41円まで上昇した。ユーロドルは予想を上回る米経済指標を受けて1.1204ドルまで下落した。ユーロ円は155.10円から156.34円まで上昇した。

 本日の東京外国為替市場のドル円は、日銀関係者の発言に警戒する展開、豪ドル/ドルは、7月の豪準備銀行(RBA)理事会議事要旨を見極める展開が予想される。

 ドル円の攻防の分岐点としては、日足一目均衡表・雲の上限138.40円を注目しておきたい。

 7月27-28日の日銀金融政策決定会合に向けて、7日の内田日銀副総裁や13日の早川元日銀理事によるイールドカーブコントロール(YCC)の許容変動幅拡大を示唆する発言が相次いでおり、本日も日銀関係者による肯定・否定発言に警戒することになる。

 内田日銀副総裁は、「YCCは、うまく金融緩和を継続するという観点から続けていく。金融仲介機能や市場機能に配慮しつつ、いかにうまく金融緩和を継続するかという観点からバランスをとって判断していきたい」と述べていた。
 元日本銀行理事の早川英男氏(東京財団政策研究所主席研究員)は、日銀が今月開く金融政策決定会合で、YCCにおける長期金利の変動幅を拡大する政策修正を行う可能性がある、との見解を示していた。
 しかし、インド・ガンディーナガルで行われた先進7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議後の記者会見で、植田日銀総裁は、市場で金融緩和策を修正するという観測が広がっていることに対して釘をさしている。「債券市場の機能に関する私の認識は4月や6月の決定会合のときと大きく変わっていない。全般的にある程度、流動性の低下など機能の低下が見られているが、ひところ見られたようなイールドカーブの形状のゆがみの現象はかなり緩和されてきている」と述べている。

 7月4日の豪準備銀行(RBA)理事会では、政策金利のオフィシャルキャッシュレートを4.10%に据え置き、これまでの利上げの影響を見極めたいとした上で、インフレ抑制に向け追加引き締めが必要になる可能性もあると指摘していた。
 本日発表される議事要旨では、8月1日のRBA理事会に向けて、タカ派的スキップ(見送り)と追加利上げのバイアス、バランスを見極めることになる。



(山下)
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