ロンドン為替見通し=今週はECBが金融政策を発表、本日は欧州PMIに注目

 今週の欧州市場で最大の注目は、やはり27日の欧州中央銀行(ECB)定例理事会の結果発表とラガルドECB総裁の記者会見だろう。0.25%の利上げがほぼ確実視され、見込み通りであれば一連の引き締めプロセスでは9回目の政策金利引き上げとなる。注目ポイントは、9月以降で年内3回を残す会合に対する見通し。先週はタカ派のECB委員から秋以降の利上げについて慎重なコメントも出ていたが、今のところ短期金融市場は追加利上げの可能性をまだ織り込んではいる。
 
 本日に関しては、欧州の7月製造業/サービス部門購買担当者景気指数(PMI)速報値で足もとの景気動向を見定めながらの取引か。景況判断の境目となる50を割り込んでいる仏のサービス部門や、前回は40手前まで低下した独製造業PMIの持ち直し度合いを気にしておきたい。また、英国の同月製造業PMIが減速基調を強めるようだと、先週の弱い英インフレ指標を受けて上値の重さが続くポンドドルが下値余地を探ることになりそうだ。

 他、経済規模ではユーロ圏で4番目に大きいスペインの政治動向にも目を向けておいたほうがよいか。同国では23日に総選挙(定数350議席)が行われ、中道右派の野党・国民党が第1党となった。今後は極右政党と連立を組む可能性が取り沙汰されている。ただ、右派連合が成立した場合でも、現在のサンチェス首相率いる連立政権より議席数は多いものの過半数には達しない。一部では首相選出に数カ月かかるとの見方もあり、政局混乱の長期化となればユーロのイメージも良くはないだろう。

想定レンジ上限
・ユーロドルは18日から21日下落幅の半値1.1192ドル、ポンドドルは20日高値1.2965ドル。

想定レンジ下限
・ユーロドルは1.1033ドルまで水準を上げてきた21日移動平均線、ポンドドルは4日高値1.2739ドル(上昇前に一旦抑えられた水準)。


(小針)
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