ロンドン為替見通し=ユーロ圏の4-6月期GDP速報値や7月のHICP速報値に要注目

 本日のロンドン為替市場のユーロドルは、4-6月期ユーロ圏GDP速報値や7月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値に注目する展開が予想される。

 4-6月期ユーロ圏GDP速報値は前期比+0.2%、前年比+0.5%と予想されており、1-3月期GDPの前期比±0.0%からの改善が見込まれている。1-3月期GDPが速報値の-0.1%から±0.0%に上方修正されたことで、2四半期連続のマイナス成長、リセッション(景気後退)を回避できており、予想通りだった場合は、ユーロ買い要因となる。
 しかしながら、ユーロ圏の銀行融資需要の低迷や企業活動の低迷を示唆する指標が発表されているため、ネガティブサプライズには警戒しておきたい。

 7月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値は、前年比+5.3%と予想されており、9月の前年比+5.5%からの伸び率の鈍化が見込まれている。ラガルドECB総裁は、先週の0.25%の利上げの後に、9月の欧州中央銀行(ECB)理事会での利上げはデータ次第と述べ、タカ派のクノット・オランダ中銀総裁やナーゲル独連銀総裁も、ややハト派的な見解を述べていたことで、ネガティブサプライズに警戒しておきたい。

 また、ユーロ圏の債券市場では、日本銀行によるイールドカーブコントロール(YCC)の柔軟化を受けて、本邦機関投資家のユーロ債売り、日本へのレパトリエーション(国外滞留資金の本国環流)への警戒感が高まっており、債券市場の動向にも注視しておきたい。


想定レンジ上限
・ユーロドル:1.1092ドル(日足一目均衡表・転換線)
・ユーロ円:157.81円(7/24高値)

想定レンジ下限
・ユーロドル:1.0865ドル(日足一目均衡表・雲の上限)
・ユーロ円:154.74円(日足一目均衡表・転換線=基準線)


(山下)
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