株式明日の戦略-大幅高で33000円を上回る、あすはトヨタの決算に注目

 31日の日経平均は大幅反発。終値は412円高の33172円。先週末の米国株が強い動きとなり、円高にも一服感が出てきたことを好感して、寄り付きから300円を超える上昇となった。節目の33000円を大きく上回ったことで前場では上を試しに行き、高いところでは600円超上昇した。33400円台では上昇一服感が出てきて、後場に入るとしばらく値を消す流れが続いた。しかし、33000円近辺では改めての買いが入って盛り返し、400円を超える上昇で取引を終えた。TOPIXは年初来高値を更新した。

 東証プライムの売買代金は概算で5兆1000億円。業種別では精密機器、輸送用機器、鉄鋼などが上昇した一方、海運、空運、金属製品などが下落した。1Qが大幅な増益となった第一三共<4568.T>が急伸。半面、1Qが営業赤字となったアンリツ<6754.T>が急落した。

 東証プライムの騰落銘柄数は値上がり1525/値下がり279。1Qが大幅増益となったソシオネクストが9.4%高。決算を材料に日立やNECが買いを集めて年初来高値を更新した。HOYAは1Qの減益着地を受けて発表直後に一時下げに転じたものの、自己株取得発表もあったことから押し目はすぐに拾われて4%近い上昇。今期の見通しを公表した北海道電力や、上方修正および増配を発表した豊田通商、北越工業などが値を飛ばした。決算関連以外では、サムスンSDIと戦略的長期供給で合意することを発表したダブルスコープが急伸した。

 一方、下方修正を発表したファナックが7.3%安。決算が市場の期待に届かなかったキーエンスが4.4%安と、主力ではこの2銘柄の弱さが目立った。OLCは1Qの大幅増益着地を受けて買いが先行したものの、失速してマイナス転換。昼休みに決算を発表した商船三井が後場に下げに転じ、日本郵船や川崎汽船も連れ安した。M&AキャピタルやストライクなどM&A関連が決算で値を崩しており、1Qが大幅減益の日本M&Aセンターがストップ安。決算関連以外では治験結果が失望材料となった住友ファーマが急落した。

 本日、グロース市場に新規上場したLaboro.AIは、公開価格の倍近い初値をつけると、その後も買いが続いて高値引けした。

 日経平均は大幅高。月間プラスは達成できなかったものの、TOPIXが年初来高値を更新しており、強い動きであったと言える。先週金曜に日銀会合で乱高下したが、その翌営業日に上に値幅が出たことから、ここからは買いが入りやすくなると見込まれる。テクニカル面でも5日線(32834円、31日時点、以下同じ)や25日線(32749円)がサポートになると見込まれる。TOPIXにキャッチアップして日経平均も年初来高値(33753円、7/3)を更新できるかが、今週の焦点。8月初日となるあすはトヨタの決算が注目を集める。直近では為替が不安定となったが、4-6月のドル円は円安基調が続いていた。トヨタは本日年初来高値を更新しており、決算反応が良ければ昨年1月につけた上場来高値(2475円)が射程圏に入る。日本株上昇の先導役になってくれる展開に期待したい。
株式会社DZHフィナンシャルリサーチより提供している情報(以下「情報」といいます。)は、 情報提供を目的とするものであり、特定通貨の売買や、投資判断ならびに外国為替証拠金取引その他金融商品の投資勧誘を目的としたものではありません。 投資に関する最終決定はあくまでお客様ご自身の判断と責任において行ってください。情報の内容につきましては、弊社が正確性、確実性を保証するものではありません。 また、予告なしに内容を変更することがありますのでご注意ください。 商用目的で情報の内容を第三者へ提供、再配信を行うこと、独自に加工すること、複写もしくは加工したものを第三者に譲渡または使用させることは出来ません。 情報の内容によって生じた如何なる損害についても、弊社は一切の責任を負いません。